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尊みで飯が食える

twitterアカウントは@mg_toHKRです。思いついたことだけを書きます。

薗部篠が複数人いてかつ全員の脳が繋がっていると思った話

あけましておめでとうございます。

 

 

私は今年もきららを読んだりきららを読んだり数学したりします。

 

 

新年初の記事はJonsson代数について書く予定でしたが急きょ薗部篠の記事になりました。

 

 

一応注意書きです。

 

 

三者三葉」や「いちごの入ったソーダ水」等のネタバレを多分含むので気を付けてください。

 

 

あと僕が妄想してるだけなので実際の設定とはもちろん関係ありません。

 

 

あと薗部篠を妖怪かなにかだと思って話すので薗部篠タソまじ天使...って人も見ないほうがいいです。

 

 

今からなんか散々書きますが私は薗部篠好きです。

 

 

注意書きは以上です。

 

 

さて、

 

 

"薗部篠"とは三者三葉の登場人物です。

 

 

女子高生がキャッキャウフフしている光景に喜びを覚えたり洋菓子店を経営していたり元メイドだったりする人です。

 

 

容姿はメイド服でやたら幼い感じですが三十路です。

 

 

あと目を開けて立ったまま寝たり、旅行先で事件に巻き込まれ事件を解決したり、サメを倒したりするので妖怪の類ではないかと噂されています。

 

 

日々を面白おかしく生きているそうです。

 

 

「元メイド」というのは大切な要素でもともと西川家に仕えていて今でも実質葉子さまに仕えているような感じです。

 

 

葉子さまは薗部篠の店でバイトしているので本来の立場は逆です。

 

 

で、ここだけならただのなんか妖怪みたいなキャラクターが女子高生のキャッキャウフフを楽しみながら暴れているだけなのですが、実は似たようなキャラが荒井チェリー先生の別作品に登場します。

 

 

「いちごの入ったソーダ水」という作品があります。

 

 

これは葉子さまの元通っていた「迷迭香女学院」が舞台のお話なのですが、そこに"薗部茅"というキャラクターが登場します。

 

 

薗部茅はほとんど同じ見た目ですが和服です。

 

 

御代田家に仕えるお手伝いさんです。

 

 

そんなに登場シーンが多いわけではないですが、多分中身はそこまで薗部篠と変わらないです。

 

 

で、御代田家は御代田島という島の主で「島の名前がそのまま苗字」状態の大きい家です。そして御代田家はそこに住んでいます。

 

 

いちごの入ったソーダ水の登場人物の御代田こひめちゃんの実家です。

 

 

で、御代田島は所謂離島でこひめちゃん卒業時に学校全校生徒が5人というくらい子供がいないっぽいです。

 

 

で、薗部篠は多分「女子高生がキャッキャウフフしている成分を栄養に生きている妖怪」なので薗部篠と薗部茅が殆ど同じだと思うと、

 

 

薗部茅は生きていけないのでは???

 

 

女子高生のキャッキャウフフが足りずに存在を保てないのではないだろうか。

 

 

そう思ってしまいました。

 

 

思ってしまったのです。

 

 

え?じゃあ薗部茅はどうやって生きてるの!?

 

 

そんなに離島のJKは濃密なキャッキャウフフを提供しているのだろうか...ていうかJKが何人いるのだろうか。

 

 

薗部篠と違い葉子さまが近くにいるわけではなくこひめちゃんは迷迭香の寮です。

 

 

それに薗部篠は使用人ではないので自由に生きていますが、薗部茅は違います。普通に使用人してます。

 

 

 間違いなく生きていけない...

 

 

そこで、

 

 

薗部篠が複数人いてかつ全員の脳が繋がっているのではないだろうか。

 

 

具体的に言うと「薗部シリーズが存在していて彼女たちはSonobe-networkという独自のネットワークを持ち相互に情報をやりとりすることが可能なのでは」と思ったのです。

 

 

なんか薗部篠の「薗」って最初「菌」に見えたので樹海か何かに薗部の菌床があってそこから生えてくるのでは...と思ったこともあります。

 

 

それの妄想が薗部茅という新・薗部の存在で信憑性が高まってしまった今日この頃にSonobe-networkがありそう等と思ったわけです。

 

 

Sonobe-networkの存在を仮定すると薗部茅に女子高生キャッキャウフフ情報が提供されていることになります。

 

 

そもそも、薗部篠だって昔は使用人。今ほど自由にキャッキャウフフを補給できていたわけではないでしょう。

 

 

Sonobe-network構成員全員のキャッキャウフフを集めて共有しあい、彼女たちが存在を保っていたとするとなるほどという感じです。

 

 

そして今の薗部篠はキャッキャウフフを過剰に持つのでこひめちゃんが離れていった今の薗部茅も十分生活できるのです。

 

 

そんな感じで樹海の菌床から生まれた薗部シリーズが全国の女の子のいるデカい家に仕えて今日もキャッキャウフフを求めて生きているのです。

 

 

という説。

 

 

なんか情報あったらください。

 

 

今年もよろしくお願いします。

発表スライド

今年の若手の会での発表スライドを上げようと思ってたの、完全に忘れていました。

 

 

www.dropbox.com

タイトルが「2」の理由は最初に作ったやつがbeamer練習の犠牲になってしまったので2という意味です。その1は小麦ちゃんとCantorの定理しか載ってないです。

はーちゃんの話 その1

おはようございます。

 

この記事は大部分がネタバレなのでステラのまほうをこれから見ようor読もうと思っている方は読まない方が良いです。あと「その2」はあります。

 

この記事は読んでも特に良いことはないです。でもまぁ良いことあるといいですね。

 

私は最近良いことありました。

 

それは先日放送されたステラのまほう8話です。

 

そこで飯野水葉ちゃんことはーちゃんが満を持して登場してくれました。

 

はーちゃんとはステラのまほう2巻から登場するたまきちゃんのライバル的キャラです。

 

前の数話でもちょくちょく現れたりしてたのですが画面に写る程度で殆ど出番がなく私は「はーちゃんいないかな~~~」と同じ話を何回も再生していました。

 

1話の部活紹介のところでいると思って何度も見たけど見つけられなかったので多分2話の通学中で写ったシーンが最初だと思います。

 

1話で見つけた方は教えてください。

 

ところで私ははーちゃんが好きです。めっちゃ好きです。

 

なので「こういうところが好き!」という話をします。

 

再三言うと原作を一通り読んで好きなシーンを延々に話すだけなのでとてもネタバレです。 

 

 

1.オタク観

第一にこれです。漫画の方でもこの雰囲気で一気に心を掴まれました。

 

Iri§先生を信仰に近いレベルで敬愛したり、裕美音ちゃんとのカップリング論争で次のようなセリフを挙げています:

 

「いつも思うけどあんた関連書籍の読み込みが―――」[1]

 

また、Iri§先生と参加したイベントでも次のようなセリフがあります:

 

「やっぱり原作にない描写をヨコシマな目線で捏造するの良くないと思うんです!」[2]

 

はーちゃんの作品に対する深い原作愛を感じます。4巻の裏表紙にその心情が綴られています。

 

しかしIri§先生に言われるまで原作にない2次創作での設定に否定的なその様は昔ながらのオタクらしい信念を感じます。

 

[2]のセリフがある4コマのタイトルにもなっている通り、まさに「原作至上主義みなはちゃん」です。

 

信念を持つオタクは素晴らしいものです。

 

私にも心の中に信念を持ち作品に触れているのではーちゃんのこういった姿勢に共感せずにいられません。

 

地球上の生きとし生けるもの全てがいつか海に還るように、私もはーちゃんのようになりたいものです。

 

はーちゃんはIri§先生の過去作を読んだ時「人生が180度変わった」と言っていました。

 

そしてそれを聖書を配るかの如く複製して人々に配ります。

 

単なる押し付けではなく自分の考えと尊さを説いて回るのです。

 

まさに使徒です。

 

そしてついには人の考えを一時的にでも変えてしまう[3]のです。

 

素晴らしいオタクです。私も好きな本を人に勧めたりしますがここまで活動的ではないです。

 

さらに複製本を配るだけでなく、自分がその作品をノベルゲームにすると意気込みゲームスクリプトの勉強までしてしまう[4]のです。

 

自分の好きなものとそれを形にすること、広めることにここまで貪欲になれるはーちゃんが私は大好きです。

 

2.めっちゃ純粋

もう一つはこれです。1.で話した内容はある種、はーちゃんの生き様に感銘を受けたという話なのではーちゃんの内面について好きなところです。

 

はーちゃんはかなり乙女というか純粋です。

 

例えばIri§先生と関センパイを別人だと思っているところです。

 

実は気付いているのでは?と思ったことはありますがそういう描写は今のところない感じです。

 

どう見てもモロバレ(というよりほぼ全員気付いている)のですが、「恋は盲目」みたいな感じで気付いていないと思うとまさに乙女です。

 

最高ではないでしょうか。

 

まさに恋する乙女です。恋ではない(と少なくとも僕は思っている)ですが。

 

理想で現実を上書きするはーちゃんの純粋さには心打たれるものがあります。

 

これもまた一例なのですが、Iri§先生を前にしたときの背景トーンが乙女以外の何物でもないじゃないですか。

 

特に愛読書にサインを貰ってそれを愛おしそうに抱きしめるはーちゃん[5]は良いです。

 

「嬉しい...っ」

 

ですよ。自分も作家さんのサイン会に参加したときがあるので気持ちはとてもわかります。

 

なのであそこまで喜びを表現できるはーちゃんの純粋さが私は好きなのです。

 

実際、表情が多いですよね。いろんな表情をします。眼福です。

 

関センパイと部長が形だけでもデートをする話があります。ここでキスシーンを偶然はーちゃんが目撃してしまうのですが、はーちゃんはIri§先生が秋のあばんちゅーる...とショックを受けて倒れてしまいます。[6]

 

こういう所からもはーちゃんの感情がとても豊かだということがわかります。

 

作中でも触れられている通り、なかなか感情の起伏が激しい娘です。良くも悪くも純粋さから来ているのだと思います。

 

他に、はーちゃんが漫画を描く場面[7]があるのですが、作風が結構ファンシーな感じらしいです。

 

その話は珠輝ちゃんが思わず泣いてしまう[8]くらい良い話みたいです。自分も感動を生み出していく...素晴らしいことです。

 

小さい頃に犬のチマちゃんを飼っていてとても大切にしていたようです。尊いです。動物好きに悪い人はいないって三者三葉でも言っていました。

 

チマちゃんのことを思い出すはーちゃん[9]、すごい大切な思い出なのだなというのが表情から伝わってきます。

 

女の子が思い出を大切にする様はいつでも美しいものです。私は生まれてきて良かったです。

 

 

 なんかやたら長くなっちゃったのであとでまた続き書こうと思います。

 

はーちゃん大好きです。

 

もちろんみんな大好きなのですが、久々に好きだ~~~うおおお~~~ってキャラが出てきたので書きました。

 

そんなこんなです。失礼しました。

 

くろば・U先生、ステラのまほう製作委員会の方々、芳文社にとても感謝してます。

 

あとこの記事続きます。

 

参考文献

[1]くろば・U,"ステラのまほう(2)",芳文社,p36

[2]くろば・U,"ステラのまほう(4)",芳文社,p26

[3]くろば・U,"ステラのまほう(2)",芳文社,p43

[4]くろば・U,"ステラのまほう(2)",芳文社,p75

[5]くろば・U,"ステラのまほう(2)",芳文社,p39

[6]くろば・U,"ステラのまほう(3)",芳文社,p79

[7]くろば・U,"ステラのまほう(4)",芳文社,p14

[8]くろば・U,"ステラのまほう(4)",芳文社,p55

[9]くろば・U,"ステラのまほう(4)",芳文社,p55

 

基数演算の話 その1

おはようございます。

 

AWT48という概念が心臓を破壊していきましたが私は元気です。

 

もちろんこの記事は刀剣乱舞に関する話ではないです。

 

 さておき。

 

今自分は基数のべきについての話を書いているのですが、その1で

 

「無限基数の和と積は{\kappa+\lambda=\kappa\cdot\lambda=max\{\kappa,\lambda\}}でめっちゃ簡単!」

 

と書きました。

 

確かにべきの値が全く分からないことに比べれば簡単なのですが、演算の性質についてはそうでもないです。

 

ざっくり言うとこれは無限に関する計算を考えているので冒頭に挙げたようなことが普通に起こるのですが、それを確認するのはそんなに簡単でもないです。

 

なので和と積の定義をして諸々の性質を考えていきたいと思います。

 

注意なのですが、この話は全てZFC上の話です。

 

また、ここでは{\kappa,\lambda,\mu}や、これに添え字付けたものはすべて基数を表すことにします。

 

基数の定義とかは、

 

mgtohakari.hatenablog.com

 

に書いてあります。

 

定義

{\kappa+\lambda:=|\kappa\times\{ 0\}\cup\lambda\times\{ 1\}|}

{\kappa\cdot\lambda:=|\kappa\times\lambda|}

 

基数の和は直和の濃度、積は直積の濃度として定義されます。また、有限の場合を考えればちょうど拡張になっていることがわかります。

 

例)

{2+3=|2\times\{ 0\}\cup 3 \times\{1\}|=|\{\langle 0,0\rangle,\langle 1,0\rangle,\langle 0,1\rangle,\langle 1,1\rangle,\langle 2,1\rangle\}|=5}

 

無限項の演算についても、

{\sum_{i\in I}\kappa_{i}=|\bigcup_{i\in I}(\kappa_{i}\cup\{ i \})|}

{\prod_{i\in I}\kappa_{i}=|\prod_{i\in I}\kappa_{i}|}

として定義されます。{I}は添え字集合です。なんか定義が循環して見えるので注意を書くと右側の{\prod}は直積の意味です。記号の意味としては別物です。

 

和や積の演算について調べるには直積や直和の濃度を調べれば良いことがわかります。

 

これを考えるのに濃度の話を思い出します。

 

濃度の定義より、2つの集合の濃度が等しいとはそれらの間に全単射が存在することを言います。

 

2つの集合間に全単射が存在することを2つの集合は対等であると表現し、{A,B}が対等であることを{A\sim B}で書きます。

 

 選択公理があるので任意の集合{A,B}は整列可能です。

 

そして整列集合は順序数との間に全単射(順序同型写像)を持つので{A,B}は濃度を持ちます。

 

{|A|,|B|}は順序数なのでどちらか一方への順序構造の埋め込み写像が存在します。これは単射になるので{|A|\leq|B|}あるいは{|B|\leq|A|}ということになります。

 

で、両方言える時、すなわち{|B|\leq|A|}かつ{|A|\leq|B|}なるときBernsteinの定理より{|A|=|B|}が言えます。

 

また、{|B|\lt|A|}なるとき等号が言えないので全単射は存在しません。よって任意の単射{f:B\to A}全射でないです。もっと言うと全射が存在しません。

 

逆に、全射{f:B\to A}が存在しないなら{|B|\lt |A|}が言えます。

 

で、何が言いたかったかというと基数の演算はある集合の濃度で定義されていたので、基数の演算を調べるには「いい感じの写像を作る」というのが常套手段になります。

 

なので写像を使っていくつかの例を示していきます。

 

定理1

1){\kappa+\lambda=\lambda+\kappa}

2){\kappa+(\lambda+\mu)=(\kappa+\lambda)+\mu}

3){\kappa\cdot\lambda=\lambda\cdot\kappa}

4){\kappa\cdot(\lambda\cdot\mu)=(\kappa\cdot\lambda)\cdot\mu}

5){\kappa\cdot(\lambda+\mu)=\kappa\cdot\lambda+\kappa\cdot\mu}

6){\kappa+0=\kappa}

7){\kappa\cdot 1=\kappa}

が成立する。つまり基数の和と積はそれぞれ結合律と可換律、分配律を満足しそれぞれ単位元が存在する。

証明

 1) {f:\kappa\times\{0\}\cup\lambda\times\{1\}\to\lambda\times\{0\}\cup\kappa\times\{1\}}

{\langle\alpha,0\rangle\mapsto\langle\alpha,1\rangle}

{\langle\alpha,1\rangle\mapsto\langle\alpha,0\rangle}

として定義する。これは明らかに全単射だから{\kappa+\lambda=\lambda+\kappa}である。

2)~4)もほぼ同じ。5)は集合演算の分配律を考えればよいです。6)は{\emptyset\times\{1\}=\emptyset}であるから良い。7)も1元集合との直積は元の集合と明らかに対等なので良いです。□

 

また、次が言えます。

定理2

1){\kappa\leq\lambda}なら{\kappa\cdot\mu\leq\lambda\cdot\mu}

2){\kappa,\lambda\lt 0}なら{\kappa+\lambda\leq\kappa\cdot\lambda}

証明

1){f:\kappa\to\lambda}単射として{\mu}上の恒等写像との積で得られる写像は明らかに単射

2){\kappa=1}の時はあきらかなのでそうでないとする。

 

{f:\kappa\times\{0\}\cup\lambda\times\{1\}\to\kappa\times\lambda}{f(\alpha,0)=\langle 0,\alpha\rangle,f(\alpha,1)=\langle 1,\alpha\rangle}とすればこれまた明らかに単射である。□

 

わりと「それはそう」感が強いのでそれほど自明でない例を考えます:

 

定理3

任意の無限基数{\kappa}に対し{\kappa\cdot\kappa=\kappa}が成立する。

証明

次の主張から直接得られます:

 

主張

任意の無限順序数{\kappa}に対し{\kappa\times\kappa\sim\kappa}が成立する。

主張の証明

{\kappa=\omega}であるときは{\mathbb{N}\to\mathbb{N}\times\mathbb{N}}なる全単射が存在することは良く知られているので{\kappa\gt\omega}なケースを考えます。

 

{\kappa\times\kappa\sim\kappa}でない」無限順序数{\kappa}が存在したとします。

 

「」内の性質を(*)と置いておきます。

 

{\alpha}をそのような順序数で最小のものとする。

 

{\alpha\to\alpha\times\alpha}なる単射の存在は明らかで仮定より全単射が存在しないから{|\alpha|\lt|\alpha\times\alpha|}

 

このとき{\alpha}は基数となる。もしそうでないとすると{\beta\lt\alpha\land\beta\sim\alpha}なる順序数{\beta}が存在する。

 

{\alpha}は(*)を満足する最小の順序数であるから{\beta\times\beta\sim\beta}である。

 

しかし、{\alpha\times\alpha\sim\beta\times\beta\sim\beta\sim\alpha}であり矛盾。

 

よって、{\alpha}は基数である。

 

次に{\langle\gamma,\in\rangle\simeq\langle\alpha\times\alpha,\lt_{L}\rangle}なる順序数{\gamma}を考えます。ここに,{\lt_{L}}は2つの{\langle\alpha,\in\rangle}から出来る辞書式順序。

 

事実として認めてしまうのですが、この{\gamma}は一意に存在します。(ここでは話しませんが、順序数の演算というのも定義されていてこの{\gamma}が一意に存在することから順序数の積を定義したりします。)

 

また、この{\gamma}について、{|\alpha|\lt|\alpha\times\alpha|=|\gamma|}より{\alpha\lt\gamma}

 

これより、{\alpha}{\gamma}の始切片なので{\alpha\times\alpha}の始切片と同型になる。すなわち次を満足する{\langle\xi,\eta\rangle\in\alpha\times\alpha}が存在する:

 

{\langle\alpha,\in\rangle\simeq\langle\{\langle\xi',\eta'\rangle\mid\langle\xi',\eta'\rangle\lt_{L}\langle\xi,\eta\rangle\},\lt_{L}\rangle} ...(1)

 

ここで,{\delta=\xi\cup\eta +1}なる順序数を考えます。この{+1}は順序数の後続を取るという意味で基数の演算ではないです。

 

順序数は小さい方が大きい方の始切片となるから{\xi\cup\eta}{\xi\lt\alpha}あるいは{\eta\lt\alpha}となる。また{\alpha}は無限基数でありすなわち極限順序数。

 

極限順序数は後続を取る操作で閉じているから{\delta=\xi\cup\eta+1\lt\alpha}であり、かつ{\langle\{\langle\xi',\eta'\rangle\mid\langle\xi',\eta'\rangle\lt_{L}\langle\xi,\eta\rangle\}\subseteq\delta\times\delta}

 

(1)より、{\alpha\to\delta\times\delta}なる埋め込みが存在するが、{\alpha}の最小性より{\delta\times\delta\sim\delta}

 

これより、{f:\alpha\to\delta}なる単射が存在する。

 

また、{\delta\lt\alpha}より{g:\delta\to\alpha}なる単射も存在してBernsteinの定理より{\delta\sim\alpha}

 

しかし、{\alpha}は基数であるから自分より小さい順序数との全単射は存在しないはずだから矛盾。

 

これより、(*)を満足する無限順序数は存在しない□

 

よって主張が示せた。

 

これより、任意の無限基数{\kappa}に対し{\kappa\times\kappa\sim\kappa}だから{\kappa\cdot\kappa=\kappa}である。□

 

 系4

無限基数{\kappa,\lambda}に対し {\kappa+\lambda=\kappa\cdot\lambda=max\{\kappa,\lambda\}}

証明

{\kappa\leq\lambda}としても一般性を失わない。

 

定理2,3より{\lambda\leq\kappa+\lambda\leq\kappa\cdot\lambda\leq\lambda\cdot\lambda=\lambda}

 

よって{\kappa+\lambda=\kappa\cdot\lambda=\lambda=max\{\kappa,\lambda\}}が得られた。□

 

これらより、有限項の無限基数の和、積のみからなる演算は計算すると現れる項のなかで最大の無限基数になることがわかります。

 

べきはとても難しい(とても難しい)のでここでは考えなくて、とりあえず次回があれば無限項の演算を考えたいと思います。

きらら12月号を買ってきた話

基数の話時間かかってて大変です。時間がないです。需要があるかはわかりませんが特異基数の話題を広めたいので頑張って書きます。

 

何も書かないのもアレだし別に数学のブログと決めたわけでもないので、きらら12月号の感想でも書こうと思いました。が、

 

「発売日にネタバレ相当のことを書くのってどうなんだ」

 

と思ったのでやめました。

 

なのでネタバレにならない範疇の話と好きな作品の話をします。

 

自分は半年ほど前からきらら購読を再開しまして、久々に読んだ中でおしおしお先生の「神様とクインテット」という作品がめちゃんこ気に入りました。

 

12月号は最終回で自分が読んでいたのは短い間でしたが、最終回がリアル時間で読めてよかったなと思います。

 

1巻面白かったです。なんというか汁汁汁というか、アグレッシブなお話で元気をもらえました。

 

最終回も自分が「これ好き!」と思ったノリ全開だったのでとてもよかったです。めっちゃありがとうございました。

 

2巻は12/27発売らしいです。買います。

 

色々書きたいけど自分はネタバレ被害の経験があるのでここにはこんなふわふわした感想しか書きません。

 

 

 

最後に余談なんですけど、

 

自分はtwitter上で呟いているように実際きららを拝んだりしていますが、

 

"三者三様で小田切双葉ちゃんが「崇め奉れい!」と言った"という事実は一切関係ないです。自分は数年前からこんなオタクです。

基数のべきを調べたいという話 その2

続きです。

 

特異基数のべきを調べるにはどうしたらいいんだ!って話でした。

 

これを知るために次の言葉を定義します。

 

定義(gimel関数)

{ICN}上の関数{\kappa^{cf(\kappa)}}をgimel関数という。

 

ちなみにgimelというのはヘブライ文字の3番目の{\gimel}です。

 

これに関して次の定理が知られています。

 

定理

任意の無限基数{\kappa}に対し次が成立する:

{ 2^{\kappa}=\begin{cases}\kappa^{cf(\kappa)} & \kappa\text{ is regular.}\\ 2^{\lambda_{0}} & \kappa \text{ is singular and }\exists \lambda_{0}\lt\kappa\forall \lambda\lt\kappa(\lambda\lt\lambda_{0}\to 2^{\lambda_{0}}=2^{\lambda})\text{ holds.} \\(2^{\lt\kappa})^{cf(2^{\lt\kappa})} & \text{otherwise.} \end{cases}}

 

2行目のケースは{\lambda_{0}}を正則基数として取ることができるので正則基数のgimel関数です。

 

なのでgimel関数の値が全部わかればべきの値は全部計算できます。

 

正則基数のgimel関数とべきは同じなのでEastonの定理より正則基数上のgimelについては証明できることは殆どない。

 

なので調べるべきは特異基数のgimel関数ということになります。

 

ではgimel関数の値を調べるにはどうしたらいいんだという話になります。

 

定理

{ \kappa^{\lambda}=|[\kappa]^{\lambda}|}

ここに、{[\kappa]^{\lambda}=\{x\subseteq\kappa\mid |x|=\lambda\}}

 

で、{[\kappa]^{\lambda}}{\subseteq}で順序が入るのでこれの濃度を知るためには次がわかれば良いです。

 

定義({\subseteq}のcofinality)

{cf([\kappa]^{\lambda},\subseteq)=min\{|x|\mid x \subseteq [\kappa]^{\lambda} \text{ is unbounded in } \langle[\kappa]^{\lambda},\subseteq\rangle\}}

 

これについて次が成立する。

 

定理

無限基数{\kappa}と正則基数{\lambda}に対して

{|[\kappa]^{\lambda}|=cf([\kappa]^{\lambda},\subseteq)+2^{\lambda}}

 

証明

{X\subseteq [\kappa]^{\lambda}}をunboundedな部分集合で{|X|=cf([\kappa]^{\lambda},\subseteq)}とする。

すなわち、{\forall x\in[\kappa]^{\lambda}\exists y \in X.x\subseteq y}が成立する。

よって、{x\in[\kappa]^{\lambda}}を任意に取ると{x\in [y]^{\lambda}}なる{ y \in X}が存在する。

ので、

{[\kappa]^{\lambda}=\bigcup_{y \in X}[y]^{\lambda}}

なので{|[\kappa]^{\lambda}|}{|[y]^{\lambda}|=|y|^{\lambda}=\lambda^{cf(\lambda)}=2^{\lambda}}を|X|個くっつけた値です。

よって{|[\kappa]^{\lambda}|=cf([\kappa]^{\lambda},\subseteq)\cdot 2^{\lambda}=cf([\kappa]^{\lambda},\subseteq)+2^{\lambda}}

 

任意の無限基数{\kappa}に対して、

{\kappa^{cf(\kappa)}=cf([\kappa]^{cf(\kappa)},\subseteq)+2^{cf(\kappa)}}

 

「これより{cf([\kappa]^{cf(\kappa)},\subseteq)}がわかればgimel関数が計算できます。」

(訂正){2^{cf(\kappa)}}は正則基数のべきなので{cf([\kappa]^{cf(\kappa)},\subseteq)}について調べればよい。

 

しかし{\subseteq}は清楚だとか良い性質を全く持っていないのでこの値はよくわかりません。

 

しかしこれの値に上限が存在するという結果が知られていて具体的に言うと次です:

 

定理(Shelah)

{cf([\aleph_{\omega}]^{\aleph_{0}},\subseteq)\lt\aleph_{\omega_{4}}}

 

次回はどうやって{cf([\kappa]^{cf(\kappa)},\subseteq)}を調べるのかという話をしたいです。

 

つづく 

 

参考文献は次です。

U.Abraham and M.Magidor,"Cardinal Arithmetic",Handbook of Set Theory Volume2(1149-1228),Springer,2010

M.Holz and K.Steffen,E.Weitz,"Introduction to Cardinal Arithmetic",Modern Birkhaeuser Classics,Birkhause Basel,1999

順序数と基数の話

定義が色々あるから明記すべきという意見を頂いたのでまとめて順序数と基数についてまとめて書きます。

 

これは全部ZFC上での定義です。

 

定義(順序数)

{ \forall x ,y \in \alpha(x \in y \lor x = y \lor y \in x)}かつ{ \forall x ,y (x \in y \in \alpha \to x\in\alpha})を満足する集合{ \alpha}を順序数という.

 

1つ目の条件をconnective、2つ目の条件をtransitiveという。

 

 {0=\emptyset,1=\{0\},2=\{0,1\},...,n,n+1=n\cup\{n\},...}は順序数である。これらを有限順序数、あるいは自然数という。

自然数全体の集合 {\omega=\{0,1,2,...\}}は順序数である。

{\omega+1=\omega\cup\{\omega\},\omega+2,\omega+3,...\\ \omega+\omega,\omega+\omega+\omega,...\omega\cdot\omega,\omega\cdot\omega\cdot\omega,...\omega^{\omega},\omega^{\omega^{\omega}},...,\omega_{1},...}

はすべて順序数 。

 

という感じにたくさん得られる。{\omega}より大きい順序数を無限順序数、{\alpha+1}で書ける順序数を後者順序数、そうでないものを極限順序数という。

 

これは整列集合の順序形を表現する。

 

定理

任意の整列集合{\langle A,S \rangle}に対しある順序数{\alpha}が一意に存在して{\langle A,S\rangle\simeq\langle \alpha,\in \rangle}が成立する。

 

ここでいう{\simeq}は順序同型ということ。

 

また、順序数全体の固有クラスを{ON}と書く。

 

固有クラスと書いたのは集合にならないから。{ON}自身は順序数の定義(connectiveとtransitive)を満たすので集合とすると{ON\in ON}になって矛盾。

 

で、{ON}でも似たようなことが成立する。

 

定理

set-likeな整列構造を持つ固有クラス{\langle C,R\rangle}に対し{\langle C,R\rangle\simeq\langle ON,\in \rangle}が成立する。

 

 set-likeは任意の{y \in C}に対して{\{x \in C |x R y\}}が集合という条件。

(追記 2016/10/26)set-likeであるという条件を忘れていたので付け足しました。ご指摘ありがとうございます。

 

{\simeq}についてはまた順序同型の意。クラスだけど同じ風に考える。

 

で、これを見てもそうなのだけど{ON}{\in}で一列に整列しているのでこれより順序数の中に不等号を与える。

 

順序数の大小関係は{\alpha\lt\beta \leftrightarrow\alpha \in \beta}で定義される。

 

{\alpha\leq\beta}{\alpha\lt\beta\lor \alpha=\beta}とすると{\langle \alpha,\leq\rangle}は整列集合。ここでざっくりとした順序数の説明が出来て要は「{\in}に関して整列構造をなす集合」って感じ。

 

で、順序数で大事なものは超限帰納法

 

定理(超限帰納法)

{(\varphi(0) \land \forall \alpha(\forall \beta \lt \alpha\varphi(\beta)\to \varphi(\alpha))\to\forall \alpha\varphi(\alpha)}

ここに、{\varphi}集合論言語の論理式

 

数学的帰納法自然数上だけだけどこっちは順序数上の帰納法

 

これのおかげでめっちゃたくさんのことが示せる。

 

順序数はこんな感じ。

 

次は基数を定義したい。

 

その前に濃度を定義する。

 

定義(濃度)

集合{A}の濃度とは{A}との間に全単射を持つ順序数で最小のものをいい、{|A|}で表現する。

 

最小のものが常に取れるというのは順序数が整列してるから。

 

この定義だと常に集合に濃度が入るかどうかがわからない。

 

けど選択公理があると任意の集合は整列するから定理よりある順序数が存在して全単射(順序同型写像)が取れる。ので常に濃度は存在する。

 

けど選択公理がないと整列不可能集合があるからこれの濃度がわからんという話があるけど今は選択公理があるので気にしない。

 

で、基数の定義が出来る。

 

定義(基数)

順序数{\alpha}が基数であるとは濃度がそれ自身と一致する、すなわち{|\alpha|=\alpha}なることを言う。

 

有限順序数はすべて基数

{\omega}は基数だが{\omega+1}は基数でない。

 

言い換えると自分より小さい順序数との間に全単射を持たない順序数が基数。

 

上の例だと{\omega}より小さい順序数は有限だから明らかに全単射を持たない。けど{\omega+1}{\omega}との間に全単射が存在するから基数ではない。

 

基数全体の固有クラスを{CN}で書く。有限順序数は全部基数で有限基数を除いた無限基数全体の固有クラスを{ICN}と書く。

 

さっきの定理から{\langle ICN,\in\rangle}{\langle ON,\in\rangle}の間に順序同型写像が存在する。

 

これを{\aleph:ON \to ICN}で書く。この対応で得られる{\aleph_{\alpha}}アレフ数という。

 

{\aleph_{\alpha}}は順序数でもあるからこれを順序数として使うとき{\omega_{\alpha}}で書く。

 

無限基数は3種類に分類できる。

 

定義

{\aleph_{\alpha+1}}の形をする基数を後者基数という。

 

これは{\aleph_{\alpha}}の直後にある基数。また、{\kappa}の直後にある後者基数を{\kappa^{+}}で表現する。

 

定義

{\delta}が極限順序数の時{\aleph_{\delta}}を極限基数という。

 

{\aleph_{\omega}}は極限基数。

 

定義(共終数)

順序数{\kappa}に対して{cf(\kappa)=min\{|x|\mid x \text{ is unbounded in }\langle\kappa,\in\rangle\}}{\kappa}の共終数(cofinality)という。

 

 これが何かというと{\kappa}{\in}に関して順序構造を持っているからこれに関して非有界部分集合を考えることができる。それの最小濃度が共終数。

 

極限順序数{\kappa}の非有界部分集合の上限を取ると{\kappa}と一致するから非有界部分集合は{\kappa}に収束する順序数の列。

 

なので{cf(\kappa)}{\kappa}に収束する列の長さで最小のものを表す。

 

{\alpha+1=\alpha\cup\{\alpha\}}の共終数は1

 

後者順序数は最大元があるから共終数は1。

 

{cf(\aleph_{0})=\aleph_{0}}

{cf(\aleph_{\alpha+1})=\aleph_{\alpha+1}}

{cf(\aleph_{\omega})=\aleph_{0}}

 

{cf(\aleph_{\omega})}については{\{\aleph_{n}\mid n \in \omega\}}が非有界部分集合になるから。

 

気持ちとしては{\aleph_{omega}=lim_{n\to \omega}\aleph_{n}}という感じ。

 

こういう基数は自分より小さい基数が小さい個あったときそれらから表現することができる。

 

けど{\aleph_{0}}より小さい基数は全部有限だから同じことは言えない。

 

なので{\aleph_{\omega}}は少し変わった性質を持つ。

 

定義

{cf(\kappa)=\kappa}なる無限基数{\kappa}を正則基数、そうでないものを特異基数という。

 

{\aleph_{0}}は正則基数

後者基数はすべて正則基数

極限順序数{\kappa}に対し{cf(\kappa)}はすべて正則基数

{\aleph_{\omega}}は特異基数

 

なので無限基数は次のように分類される。

 

{\text{無限基数}\begin{cases}\text{後続基数}\\ \text{極限基数}\begin{cases} \text{正則基数}\\ \text{特異基数}\end{cases}\end{cases}}

 

参考文献

田中尚夫,"公理的集合論",現代数学レクチャーズB-10,培風館,1982