今年の若手の会での発表スライドを上げようと思ってたの、完全に忘れていました。
タイトルが「2」の理由は最初に作ったやつがbeamer練習の犠牲になってしまったので2という意味です。その1は小麦ちゃんとCantorの定理しか載ってないです。
おはようございます。
この記事は大部分がネタバレなのでステラのまほうをこれから見ようor読もうと思っている方は読まない方が良いです。あと「その2」はあります。
この記事は読んでも特に良いことはないです。でもまぁ良いことあるといいですね。
私は最近良いことありました。
それは先日放送されたステラのまほう8話です。
そこで飯野水葉ちゃんことはーちゃんが満を持して登場してくれました。
はーちゃんとはステラのまほう2巻から登場するたまきちゃんのライバル的キャラです。
前の数話でもちょくちょく現れたりしてたのですが画面に写る程度で殆ど出番がなく私は「はーちゃんいないかな~~~」と同じ話を何回も再生していました。
1話の部活紹介のところでいると思って何度も見たけど見つけられなかったので多分2話の通学中で写ったシーンが最初だと思います。
1話で見つけた方は教えてください。
ところで私ははーちゃんが好きです。めっちゃ好きです。
なので「こういうところが好き!」という話をします。
再三言うと原作を一通り読んで好きなシーンを延々に話すだけなのでとてもネタバレです。
1.オタク観
第一にこれです。漫画の方でもこの雰囲気で一気に心を掴まれました。
Iri§先生を信仰に近いレベルで敬愛したり、裕美音ちゃんとのカップリング論争で次のようなセリフを挙げています:
「いつも思うけどあんた関連書籍の読み込みが―――」[1]
また、Iri§先生と参加したイベントでも次のようなセリフがあります:
「やっぱり原作にない描写をヨコシマな目線で捏造するの良くないと思うんです!」[2]
はーちゃんの作品に対する深い原作愛を感じます。4巻の裏表紙にその心情が綴られています。
しかしIri§先生に言われるまで原作にない2次創作での設定に否定的なその様は昔ながらのオタクらしい信念を感じます。
[2]のセリフがある4コマのタイトルにもなっている通り、まさに「原作至上主義みなはちゃん」です。
信念を持つオタクは素晴らしいものです。
私にも心の中に信念を持ち作品に触れているのではーちゃんのこういった姿勢に共感せずにいられません。
地球上の生きとし生けるもの全てがいつか海に還るように、私もはーちゃんのようになりたいものです。
はーちゃんはIri§先生の過去作を読んだ時「人生が180度変わった」と言っていました。
そしてそれを聖書を配るかの如く複製して人々に配ります。
単なる押し付けではなく自分の考えと尊さを説いて回るのです。
まさに使徒です。
そしてついには人の考えを一時的にでも変えてしまう[3]のです。
素晴らしいオタクです。私も好きな本を人に勧めたりしますがここまで活動的ではないです。
さらに複製本を配るだけでなく、自分がその作品をノベルゲームにすると意気込みゲームスクリプトの勉強までしてしまう[4]のです。
自分の好きなものとそれを形にすること、広めることにここまで貪欲になれるはーちゃんが私は大好きです。
2.めっちゃ純粋
もう一つはこれです。1.で話した内容はある種、はーちゃんの生き様に感銘を受けたという話なのではーちゃんの内面について好きなところです。
はーちゃんはかなり乙女というか純粋です。
例えばIri§先生と関センパイを別人だと思っているところです。
実は気付いているのでは?と思ったことはありますがそういう描写は今のところない感じです。
どう見てもモロバレ(というよりほぼ全員気付いている)のですが、「恋は盲目」みたいな感じで気付いていないと思うとまさに乙女です。
最高ではないでしょうか。
まさに恋する乙女です。恋ではない(と少なくとも僕は思っている)ですが。
理想で現実を上書きするはーちゃんの純粋さには心打たれるものがあります。
これもまた一例なのですが、Iri§先生を前にしたときの背景トーンが乙女以外の何物でもないじゃないですか。
特に愛読書にサインを貰ってそれを愛おしそうに抱きしめるはーちゃん[5]は良いです。
「嬉しい...っ」
ですよ。自分も作家さんのサイン会に参加したときがあるので気持ちはとてもわかります。
なのであそこまで喜びを表現できるはーちゃんの純粋さが私は好きなのです。
実際、表情が多いですよね。いろんな表情をします。眼福です。
関センパイと部長が形だけでもデートをする話があります。ここでキスシーンを偶然はーちゃんが目撃してしまうのですが、はーちゃんはIri§先生が秋のあばんちゅーる...とショックを受けて倒れてしまいます。[6]
こういう所からもはーちゃんの感情がとても豊かだということがわかります。
作中でも触れられている通り、なかなか感情の起伏が激しい娘です。良くも悪くも純粋さから来ているのだと思います。
他に、はーちゃんが漫画を描く場面[7]があるのですが、作風が結構ファンシーな感じらしいです。
その話は珠輝ちゃんが思わず泣いてしまう[8]くらい良い話みたいです。自分も感動を生み出していく...素晴らしいことです。
小さい頃に犬のチマちゃんを飼っていてとても大切にしていたようです。尊いです。動物好きに悪い人はいないって三者三葉でも言っていました。
チマちゃんのことを思い出すはーちゃん[9]、すごい大切な思い出なのだなというのが表情から伝わってきます。
女の子が思い出を大切にする様はいつでも美しいものです。私は生まれてきて良かったです。
なんかやたら長くなっちゃったのであとでまた続き書こうと思います。
はーちゃん大好きです。
もちろんみんな大好きなのですが、久々に好きだ~~~うおおお~~~ってキャラが出てきたので書きました。
そんなこんなです。失礼しました。
くろば・U先生、ステラのまほう製作委員会の方々、芳文社にとても感謝してます。
あとこの記事続きます。
参考文献
おはようございます。
AWT48という概念が心臓を破壊していきましたが私は元気です。
もちろんこの記事は刀剣乱舞に関する話ではないです。
さておき。
今自分は基数のべきについての話を書いているのですが、その1で
「無限基数の和と積はでめっちゃ簡単!」
と書きました。
確かにべきの値が全く分からないことに比べれば簡単なのですが、演算の性質についてはそうでもないです。
ざっくり言うとこれは無限に関する計算を考えているので冒頭に挙げたようなことが普通に起こるのですが、それを確認するのはそんなに簡単でもないです。
なので和と積の定義をして諸々の性質を考えていきたいと思います。
注意なのですが、この話は全てZFC上の話です。
また、ここではや、これに添え字付けたものはすべて基数を表すことにします。
基数の定義とかは、
に書いてあります。
定義
基数の和は直和の濃度、積は直積の濃度として定義されます。また、有限の場合を考えればちょうど拡張になっていることがわかります。
例)
無限項の演算についても、
として定義されます。は添え字集合です。なんか定義が循環して見えるので注意を書くと右側のは直積の意味です。記号の意味としては別物です。
和や積の演算について調べるには直積や直和の濃度を調べれば良いことがわかります。
これを考えるのに濃度の話を思い出します。
濃度の定義より、2つの集合の濃度が等しいとはそれらの間に全単射が存在することを言います。
2つの集合間に全単射が存在することを2つの集合は対等であると表現し、が対等であることをで書きます。
選択公理があるので任意の集合は整列可能です。
そして整列集合は順序数との間に全単射(順序同型写像)を持つのでは濃度を持ちます。
は順序数なのでどちらか一方への順序構造の埋め込み写像が存在します。これは単射になるのであるいはということになります。
で、両方言える時、すなわちかつなるときBernsteinの定理よりが言えます。
また、なるとき等号が言えないので全単射は存在しません。よって任意の単射は全射でないです。もっと言うと全射が存在しません。
逆に、全射が存在しないならが言えます。
で、何が言いたかったかというと基数の演算はある集合の濃度で定義されていたので、基数の演算を調べるには「いい感じの写像を作る」というのが常套手段になります。
なので写像を使っていくつかの例を示していきます。
定理1
1)
2)
3)
4)
5)
6)
7)
が成立する。つまり基数の和と積はそれぞれ結合律と可換律、分配律を満足しそれぞれ単位元が存在する。
証明
1) を
として定義する。これは明らかに全単射だからである。
2)~4)もほぼ同じ。5)は集合演算の分配律を考えればよいです。6)はであるから良い。7)も1元集合との直積は元の集合と明らかに対等なので良いです。□
また、次が言えます。
定理2
1)なら
2)なら
証明
1)を単射として上の恒等写像との積で得られる写像は明らかに単射。
2)の時はあきらかなのでそうでないとする。
をとすればこれまた明らかに単射である。□
わりと「それはそう」感が強いのでそれほど自明でない例を考えます:
定理3
任意の無限基数に対しが成立する。
証明
次の主張から直接得られます:
主張
任意の無限順序数に対しが成立する。
主張の証明
であるときはなる全単射が存在することは良く知られているのでなケースを考えます。
「でない」無限順序数が存在したとします。
「」内の性質を(*)と置いておきます。
をそのような順序数で最小のものとする。
このときは基数となる。もしそうでないとするとなる順序数が存在する。
は(*)を満足する最小の順序数であるからである。
しかし、であり矛盾。
よって、は基数である。
次になる順序数を考えます。ここに,は2つのから出来る辞書式順序。
事実として認めてしまうのですが、このは一意に存在します。(ここでは話しませんが、順序数の演算というのも定義されていてこのが一意に存在することから順序数の積を定義したりします。)
また、このについて、より。
これより、はの始切片なのでの始切片と同型になる。すなわち次を満足するが存在する:
...(1)
ここで,なる順序数を考えます。このは順序数の後続を取るという意味で基数の演算ではないです。
順序数は小さい方が大きい方の始切片となるからはあるいはとなる。または無限基数でありすなわち極限順序数。
極限順序数は後続を取る操作で閉じているからであり、かつ
(1)より、なる埋め込みが存在するが、の最小性より。
これより、なる単射が存在する。
また、よりなる単射も存在してBernsteinの定理より。
しかし、は基数であるから自分より小さい順序数との全単射は存在しないはずだから矛盾。
これより、(*)を満足する無限順序数は存在しない□
よって主張が示せた。
これより、任意の無限基数に対しだからである。□
系4
無限基数に対し
証明
としても一般性を失わない。
定理2,3より
よってが得られた。□
これらより、有限項の無限基数の和、積のみからなる演算は計算すると現れる項のなかで最大の無限基数になることがわかります。
べきはとても難しい(とても難しい)のでここでは考えなくて、とりあえず次回があれば無限項の演算を考えたいと思います。
基数の話時間かかってて大変です。時間がないです。需要があるかはわかりませんが特異基数の話題を広めたいので頑張って書きます。
何も書かないのもアレだし別に数学のブログと決めたわけでもないので、きらら12月号の感想でも書こうと思いました。が、
「発売日にネタバレ相当のことを書くのってどうなんだ」
と思ったのでやめました。
なのでネタバレにならない範疇の話と好きな作品の話をします。
自分は半年ほど前からきらら購読を再開しまして、久々に読んだ中でおしおしお先生の「神様とクインテット」という作品がめちゃんこ気に入りました。
12月号は最終回で自分が読んでいたのは短い間でしたが、最終回がリアル時間で読めてよかったなと思います。
1巻面白かったです。なんというか汁汁汁というか、アグレッシブなお話で元気をもらえました。
最終回も自分が「これ好き!」と思ったノリ全開だったのでとてもよかったです。めっちゃありがとうございました。
2巻は12/27発売らしいです。買います。
色々書きたいけど自分はネタバレ被害の経験があるのでここにはこんなふわふわした感想しか書きません。
最後に余談なんですけど、
自分はtwitter上で呟いているように実際きららを拝んだりしていますが、
"三者三様で小田切双葉ちゃんが「崇め奉れい!」と言った"という事実は一切関係ないです。自分は数年前からこんなオタクです。
続きです。
特異基数のべきを調べるにはどうしたらいいんだ!って話でした。
これを知るために次の言葉を定義します。
定義(gimel関数)
上の関数をgimel関数という。
ちなみにgimelというのはヘブライ文字の3番目のです。
これに関して次の定理が知られています。
定理
任意の無限基数に対し次が成立する:
2行目のケースはを正則基数として取ることができるので正則基数のgimel関数です。
なのでgimel関数の値が全部わかればべきの値は全部計算できます。
正則基数のgimel関数とべきは同じなのでEastonの定理より正則基数上のgimelについては証明できることは殆どない。
なので調べるべきは特異基数のgimel関数ということになります。
ではgimel関数の値を調べるにはどうしたらいいんだという話になります。
定理
ここに、
で、はで順序が入るのでこれの濃度を知るためには次がわかれば良いです。
定義(のcofinality)
これについて次が成立する。
定理
無限基数と正則基数に対して
証明
をunboundedな部分集合でとする。
すなわち、が成立する。
よって、を任意に取るとなるが存在する。
ので、
なのではを|X|個くっつけた値です。
よって
□
系
任意の無限基数に対して、
「これよりがわかればgimel関数が計算できます。」
(訂正)は正則基数のべきなのでについて調べればよい。
しかしは清楚だとか良い性質を全く持っていないのでこの値はよくわかりません。
しかしこれの値に上限が存在するという結果が知られていて具体的に言うと次です:
定理(Shelah)
次回はどうやってを調べるのかという話をしたいです。
つづく
参考文献は次です。
U.Abraham and M.Magidor,"Cardinal Arithmetic",Handbook of Set Theory Volume2(1149-1228),Springer,2010
M.Holz and K.Steffen,E.Weitz,"Introduction to Cardinal Arithmetic",Modern Birkhaeuser Classics,Birkhause Basel,1999
定義が色々あるから明記すべきという意見を頂いたのでまとめて順序数と基数についてまとめて書きます。
これは全部ZFC上での定義です。
定義(順序数)
かつを満足する集合を順序数という.
1つ目の条件をconnective、2つ目の条件をtransitiveという。
例
は順序数である。これらを有限順序数、あるいは自然数という。
自然数全体の集合は順序数である。
はすべて順序数 。
という感じにたくさん得られる。より大きい順序数を無限順序数、で書ける順序数を後者順序数、そうでないものを極限順序数という。
これは整列集合の順序形を表現する。
定理
任意の整列集合に対しある順序数が一意に存在してが成立する。
ここでいうは順序同型ということ。
また、順序数全体の固有クラスをと書く。
固有クラスと書いたのは集合にならないから。自身は順序数の定義(connectiveとtransitive)を満たすので集合とするとになって矛盾。
で、でも似たようなことが成立する。
定理
set-likeな整列構造を持つ固有クラスに対しが成立する。
set-likeは任意のに対してが集合という条件。
(追記 2016/10/26)set-likeであるという条件を忘れていたので付け足しました。ご指摘ありがとうございます。
についてはまた順序同型の意。クラスだけど同じ風に考える。
で、これを見てもそうなのだけどはで一列に整列しているのでこれより順序数の中に不等号を与える。
順序数の大小関係はで定義される。
をとするとは整列集合。ここでざっくりとした順序数の説明が出来て要は「に関して整列構造をなす集合」って感じ。
で、順序数で大事なものは超限帰納法。
定理(超限帰納法)
ここに、 は集合論言語の論理式
これのおかげでめっちゃたくさんのことが示せる。
順序数はこんな感じ。
次は基数を定義したい。
その前に濃度を定義する。
定義(濃度)
集合の濃度とはとの間に全単射を持つ順序数で最小のものをいい、で表現する。
最小のものが常に取れるというのは順序数が整列してるから。
この定義だと常に集合に濃度が入るかどうかがわからない。
けど選択公理があると任意の集合は整列するから定理よりある順序数が存在して全単射(順序同型写像)が取れる。ので常に濃度は存在する。
けど選択公理がないと整列不可能集合があるからこれの濃度がわからんという話があるけど今は選択公理があるので気にしない。
で、基数の定義が出来る。
定義(基数)
順序数が基数であるとは濃度がそれ自身と一致する、すなわちなることを言う。
例
有限順序数はすべて基数
は基数だがは基数でない。
言い換えると自分より小さい順序数との間に全単射を持たない順序数が基数。
上の例だとより小さい順序数は有限だから明らかに全単射を持たない。けどはとの間に全単射が存在するから基数ではない。
基数全体の固有クラスをで書く。有限順序数は全部基数で有限基数を除いた無限基数全体の固有クラスをと書く。
さっきの定理からとの間に順序同型写像が存在する。
これをで書く。この対応で得られるをアレフ数という。
は順序数でもあるからこれを順序数として使うときで書く。
無限基数は3種類に分類できる。
定義
の形をする基数を後者基数という。
これはの直後にある基数。また、の直後にある後者基数をで表現する。
定義
が極限順序数の時を極限基数という。
例
は極限基数。
定義(共終数)
順序数に対してをの共終数(cofinality)という。
これが何かというとはに関して順序構造を持っているからこれに関して非有界部分集合を考えることができる。それの最小濃度が共終数。
極限順序数の非有界部分集合の上限を取るとと一致するから非有界部分集合はに収束する順序数の列。
なのではに収束する列の長さで最小のものを表す。
例
の共終数は1
後者順序数は最大元があるから共終数は1。
例
についてはが非有界部分集合になるから。
気持ちとしてはという感じ。
こういう基数は自分より小さい基数が小さい個あったときそれらから表現することができる。
けどより小さい基数は全部有限だから同じことは言えない。
なのでは少し変わった性質を持つ。
定義
なる無限基数を正則基数、そうでないものを特異基数という。
例
は正則基数
後者基数はすべて正則基数
極限順序数に対しはすべて正則基数
は特異基数
なので無限基数は次のように分類される。
参考文献
せっかくtexを使えることが判明したので数学の話を書きます。
めっちゃ長くなっちゃったので分割して投稿しよう。
(追記)ZFCの無矛盾性は仮定します
(追記2,2016/10/26)各定義をまとめました
特異基数問題と呼ばれるものの話がしたいです。
特異基数問題について話すためにまずはCardinal Arithmeticの話をします。
Cardinal Arithmeticはその名の通り基数の演算について調べる分野です。
基数ってなんじゃらぽんというと集合の濃度を表す数です。とかとかのアレです。
ちゃんと言うと濃度が自身と一致する順序数を基数と言います。表記として番目の無限基数がです。
で、無限基数の演算を考えることができます。有限基数の場合は普通の足し算掛け算と同じです。
無限基数の演算には和、積、べきがありますが和と積はめっちゃ簡単。
なんでかというとだからです。わかりやすい!
なのでべきを調べるのが主な目的です。これはめっちゃ難しい。
最初に基数のべきってなんじゃらぽんというとべき集合の濃度です。
もっと一般にはの濃度として定義されます。
は2元集合なのでは特性関数全体と対等でこの定義はべき集合の濃度で定義するやつの一般化です。
なんでこれが難しいかというと、めっちゃ知られている事実として連続体仮説はZFC上独立です。
もっと言うとと仮定しようがと仮定しようがZFCとは矛盾しません。
かなーり好きに仮定してよいのです。
私は三者三葉が大好きなので語呂合わせて34834番目の無限基数を連続体濃度に、つまりを仮定しても無事数学は展開できます。実数が三者三葉個あって幸せですね。ちなみには実数全体の集合の濃度なので連続体濃度と言います。
実数の濃度がヘンテコなことになってて困る!つらい!連続体仮説最高!ということは自分は全然聞いたことないけど積分の話でちょっと変なことが起きることがあるとかどっかで聞いたかも。
それなら私はが好きだ!というあなたは残念ながらを仮定することができません。がZFCから証明できるので矛盾してしまうのです(K\"onigの定理)。
こんな感じにダメなパターンも当然のようにありまして、ダメだと言われた人の「ならどこまで好き勝手やっていいんだ!」という怒りはもっともです。これについて調べたいです。
個人の感情はさておいて実際「どれくらい自由にべきの濃度を仮定していいのか」というのは当然の疑問です。
言い換えると「基数のべきに関してどれくらいの事実がZFCから証明できるか?」です。
で、正則基数のべきに対しては2つしか制約がないことをEastonが示しています。
(Easton)正則基数全体のクラスをReg、無限基数全体のクラスをICNとしてなるクラス関数が次の2条件を満足するとき,はZFCと矛盾しない。
1つ目の条件がK\"onigの定理です。
この2つに反さなければ好き勝手設定していいわけですね。連続体濃度が三者三葉数番目のアレフになることは問題ないのでオッケーです。
ので、特異基数も好き勝手したい!というのが願望なのですがそうではないことが知られてて例えばSilverの定理があります。
(Silver)非可算共終数を持つ特異基数に対しならばが成立する。
つまり非可算共終数を持つ特異基数は連続体仮説が破れない最初の基数にはなりえないのです。
Silverの定理は集合論の歴史の中では結構古い結果なのですが可算共終数を持つ特異基数について同じことが言えるか~というのは結構な時間未解決で解決は割と新しいです。といっても1980年代らしいけど。
さておいて、この結果を見る限り特異基数のべきの値は正則基数のべきの値に影響を受ける場合があるので正則基数よりは簡単にいかないぞーってなってしまいました。
この特異基数のべきについて何が言えるだろうか、というのが特異基数問題です。
そしてこの特異基数のべきを調べるにはどうしたらいいんだ...という話になるのですがそれは次回に書きます。