こんにちは。
7月27日発売のぎんしお少々1巻
が楽しみですね!!ひじょうに!
ところで本日6月30日は七瀬七穂さんの誕生日*1です!!!
ななちゃんさんの話をしましょう。
最近プラトンを読んでいるのですが、何かを賛美する前にそれが何者か明らかにしてから賛美すべきだ、とプラトンは言っていました*2。実際そうであるべきに感じます。
ななちゃんさんの話をしましょう。
本稿の構成は以下の通りです。ネタバレ必至なのでご注意ください。
1.性知識の乏しさと人柄
ななちゃんさんといえば作中屈指の常識人*3です。先に言っておくとこの一言は本稿終盤で棄却されます。戻って来い人間界に...!*4と姉に言われているくらいなので、奔走な人物と思われがちですがそれは青野林檎さんが生み出した空間で感覚が盛大に麻痺したからなのと、かつ性知識の乏しさから来ていると思われます。それを少し話していこうかなと思います。
実際初登場時は白石さんの暴走を止める側の存在だった気がします。
1巻2話*5
1巻3話*6
ななちゃんさんはこの二人のおもしろおかしい情事日常で正常?であろう反応をしていた気がします(2節参照)。
そんなななちゃんさんですが、2巻発売まで読者を悩ませ続けた謎順序の解答だった性知識早熟か初心か順序では最も初心であると評されていました。
にこみ先生のブログ*7では文字通りの意味ではない事が言及されています。しかし以下に述べるように実際とても初心ではあると推測されます。これを踏まえると下着姿を見せる事に特別な意味をあまり感じていなさそうと解釈出来ます。1巻2話でヌードについて尋ねていた際もやはり美術以上の文脈はなかったと思われる等。
随所で羞恥心のなさを感じますが、これはやはり初心故のものと思われます。ただ全く羞恥心がないかというとそうでもなくて、上に挙げたコマや、自撮りのくだり*8では頬を染めています。「イチカちゃん下着は恥ずかしくないのにそういうのは恥ずかしいんだね*9」というセリフからも察せられる通り若干の恥ずかしさというのは感じている...ハズ...です。
でも後に美術準備室で恥ずかしいとかなくなりがち、という話題に同意している*10辺り最終的には本当に麻痺してしまったのでしょう...
その中でも特に初心だなあと強く思わせるのはスク水で外に出ていたくだり。なんかもうこの時点で最初に常識人と評したの間違っている気がするんですが、ああいうの小学生くらいなら普通にやりそうですよね。
それは多分水着だから恥ずかしくないからとか、そんな理由だと思います。じゃなかったら痴女...ななちゃんさんが痴女的思考を持っていない事は明らかなように感じられるので、知識のなさ故に自身の身体がとんでもない規格外である事を理解出来ていないのではないでしょうか。1巻2話においても、すごい事の上限が吸うだった辺り*11*12*13、自身の乳がいやらしく見られうるものというより母性的なそれであると思ってそうな気がします*14。
でも下手に性知識があったら放課後の集まりにそこまで濃く関わらなかったかもしれません。二人の世界からする香しい雰囲気に赤面して立ち去ってしまう*15という世界線もあったのかも...でも美術であるという文脈から諸行為が羞恥の対象外として扱われている感じもあるのでそうでもないかもしれない。何にせよ妄想...
こんな感じで性知識のなさから奔走に見える一方で、13話においては白石さんが林檎さんをデートに誘った際興味を示し、自分も誘われた時に「え いいの?」と少し困惑しています*16。
ただ遊ぶ話をしているだけならさほど困惑はしないでしょうし、少なからずデートという概念は把握しているように見えます。おそらくドラマやアニメからそういう知識を得ているのではないでしょうか*17*18。漫画をあまり読む方でない辺り、エロい描写のある少女漫画とかには触れなかったのかな、とちょっと推察出来ます。
なので9時〜10時頃の描写が過激でないドラマ*19を中心に見てそうです。きっと毎晩早く寝ている事でしょう。
余談ですが堂々早熟1位を獲得していた姉の六花さんのそれですが、これもやはり早熟である事自体は間違いないように感じます。特に白石さんに呼び出されて色々装備して来るくだり*20。
「思い付く限り色々持ってきた」と語っていましたがボンドは何???何を想定しているの????多分私が思いつくより遥かに多くのいかがわしいものを思い付いています。底が知れません。
恋愛等の話題については人並に知識がありそうですが、一方で一歩進んだそれにはやはり疎い様子。そんなななちゃんさんですが、性格は普通に良い子です。
白石さんとかはゆるやかに狂っている以外だと普通にしっかりしてそうですが、ななちゃんさんに感じる印象は月並な表現ですが良い子だな〜という感じです。
特にそう思うのは1巻9話。急遽勉強回に混ざる事となったななちゃんさんでしたが、私にも謝ってほしいと心の中で浮かべながらも何やかんや一番白石さんから勉強を教えてもらっていました*21。
その後にウォッシュをディッシュするよ!!*22とちゃんと恩を感じその場で出来る事をしようとするのは素直に好感が持てます。こういうところが自然と何の屈折もなく出てくるのは人柄の良さと言う他ないです。いい子...
同回で秋映さんにうっかり放課後の活動内容を失言という形で暴露していますが、人の顔を覚えるのが苦手である一方、林檎さんと出会った時の事を林檎さんの狼狽含めちゃんと覚えています。そしてこれが失言である理由にちゃんと思い至りかつ反省*23出来る辺りも人柄だなあ、と思います。
2.ドン引きシリーズ
常識人であるという点の根拠がガタガタなので一応補強しておこうかなと思います。
作中の他の方々からすれば甚だ心外な事と思われますが、ななちゃんさんがドン引きしているシーンはやはり印象的です。他の作中人物が引...となるシーンはちょくちょくあります。そんな中《いやあなたに引く権利はないでしょう》という印象は多分白石さんが一手に引き受けています*24。
この反応について、ななちゃんさんのそれは一応先程話した観点から説明が出来る気がします。例えば2巻2話のおうちデート回ですが、この回はドン引きほどではないのですが、白石さんに「ちょ〜っとだけ...ヘンタイさんなんだね...*25」と言っています。
他方、林檎さんのそれ*26に対しては絵を描く人だからと許容しています。1節で触れた通り基本的には美術外の文脈でアブノーマルと思われる状況に困惑している感じがします。ところでこの回のななちゃんさんはほぼ全てのコマ全裸で立ち尽くしており、やはり、ななちゃんさんも大概なので何の補強にもなっていない...
ななちゃんさんドン引き反応の極地は2巻7話のJapanese bondage*27回でしょう。目が死んでいる...いい目ですね...*28
2巻7話*29
芸術を見ている...という感想に見られる辺り、もうそれとして解釈しないと思考がついていかなかった、と思う事も出来ます。これも美術内外の文脈の差で見られる反応な気がします。
3.七色の架け橋として
"なな"という名前はにこみ先生のブログ記事から引用させていただくと次のような由来だそうです。
「なな」は2チームの架け橋になってほしい思いから
「なないろ」、見つめる立ち位置から「虹彩」
みたいな感じで「なな」とつけたのですが
"放課後すとりっぷの話です"*30より引用
この直後ににこみ先生は彼女が全然そのポジションにいてくれない事を嘆いていましたが、案外その役割を果たしている気がします。
これを話すために他の方々の関係についての復習ですが、林檎さんと白石さんは作中を経てとても相性の良い関係になっていきます。肌の調子を見ただけでなんとなく機嫌が分かるような、所謂ツーカーの関係になっていく様が描かれていたと思います。
この二人の関係を直接見守っていたのは本編中ではほぼななちゃんさんだけです。1巻2話で林檎さんの不思議な絵に惹かれながら放課後の集まりに加わったななちゃんさんですが、「色々と巻き込んだ絵を作るりんごさんってすごいなぁ...」*31「でもこんなこと、巻き込まれているだけじゃ出来ないなあ...」「イチカちゃんってほんとはすごいんだね」*32と1巻3話の時点で理解しています。
ななちゃんさんは後に、林檎さんと白石さんの二人がもう仲良しなんじゃないの、と告げる役割を果たします。
2巻2話*33
この回は白石さんなりに絵を描く林檎さんの視点に触れてみたいと歩み寄ったが、林檎さんの性欲をタブー視する思想から拒絶されてしまう回でした。
絵を描く人と描かれる人...立場が違うだけで、二人は既に友達か、あるいはそれ以上の関係だったわけですが、それを客観的に告げる事が出来るのはななちゃんさんを置いて他にいないんですよ。
何ならその発言の根拠はこの2話の時点で既にあったのではないでしょうか。だとしたらどんな読者より、誰よりも早く二人の相性に気付いている...*34
"虹彩"としての最も重要な活躍の1つはここだと思います。そして何より重要な点に、実際に架け橋として活躍している場面があります。
振り返ると、放課後すとりっぷという物語では2組-林檎さん白石さん、秋映さん六花さんという-の似ていたはずなのに違う選択を選んでしまったペア同士が同じ道を歩むまでが描かれていると思います*35。
林檎さんは秋映さんの絵に影響を受けて進学先を決め、その後ろを追う事が出来なくなって尚秋映さんの絵に対する想いは所持し続けていました。
前に幣ブログでも書いた*36のですが、林檎さんが秋映さんの絵から受けた想いを秋映さんに返す回が存在します。
このきっかけは秋映さん視点で以下のようなものでした。
六花さんが漫画を描くかもしれない
→漫画を知っておきたい
→ななちゃんさんに相談する
→林檎さんが紹介される
という流れで生まれた談話だったわけです。秋映さん六花さん側内のみで行われていた話題を美術準備室の人々に繋げたのは紛れもなくななちゃんさんです。
この時行われた二人の会話が林檎さん白石さんの間にあって、かつ秋映さん六花さんに必要だったものを直接伝えているのです。先も描きましたが、「似ていたはずなのに違う選択を選んでしまったペア同士が同じ道を歩むまで」という物語があります。少なくとも最終回に進むために重要な1ピースである事は間違いないでしょう。
もちろん、それが出来る立場にいるのは彼女を置いて他にいないですし、そりゃそうだろ!と言われたらそうかもしれないんですが、しかしやはりちゃんと2組を繋げている、十分に仕事は果たしている...!!!と思うわけです。
4.あんなエロ乳は唯一無二で良い!ギネスも狙おう!姉として誇りに思うよ!
いやななちゃんさんの身体に触れないわけにはいかないでしょう!!!いやもう標題の通りで、姉の一言が全てを物語っているので特に語る事ないんですけど...*37
しかしこの一言を受けて1節で触れた自身の身体が規格外である事を理解していない、という部分を理解させられてしまう気がします。まあ、知っていた方が良い...六花さんは姉としてちゃんと伝える仕事をしたのです...ところで最終的に家で服を着ない人間になってしまったので六花さんの悩みは増えていることでしょう。たぶん
あれでも結構最初から服着てないですよね。六花さんの寝室を襲撃するくだり*38が1巻の時点でありますが、この時点で少なくとも下着を着けてないです。
ちなみにこういう部分に関しては、にこみ先生曰く「自由」の象徴であると称されています*39。
本記事で行われてきた考察を全面的に認めるならななちゃんさんは痴女ではないしそこはまあ良いんですけど、1巻6話で傘の柄と下着の好みがイコールであるという話題がなされます*40。
ななちゃんさんの持っていた傘は透明、そして至る所で豊満な双峰を露にしている事実は疑いようがないため、少なくとも好みではある...気がしてきました。常識人と言い張るの無理がありますね。まあ常識って所詮社会規範ですからね。
さておき、色々あれこれ言ってきましたが驚くべきなのはあまり行動する事に悩んでいなさそうなところ。これは悪口ではなくて自由人という事が言いたいのですが、人間関係の橋渡しをするという事はそれはとても悩みの多い事と思うのです。しかしななちゃんさんはそうではなく。そんな自由な様が2組を繋げたと思うと運命を感じます。ひじょうに!
以上を以てななちゃんさん賛美とさせてもらいます。
敬具
ところで
ぎんしお少々1巻は7月27日発売!!!!!!!
読みましょう!!!
*1:https://twitter.com/tori_nico2/status/1252401272017174530
*2:饗宴 アガトンの演説
*3:たぶん
*4:2巻118ページ
*5:1巻20ページ
*8:1巻90ページ
*9:2巻21ページ
*10:1巻114ページ
*11:1巻23ページ
*12:いやでも吸うって相当じゃない!?!?
*13:口に含んではいる 1巻114ページ
*14:ここはそれほど強く主張する気はないです
*15:ちょっと想像したらかわいいですね
*16:1巻112ページ
*17:2巻36ページ
*18:2巻65ページ
*19:なんとなく10時〜11時の時間帯は結構描写が生々しい印象がありそういうのには触れていなさそうの意
*20:2巻91ページ
*21:1巻83ページ
*22:かわいい
*23:しているように伺える
*24:私の主観
*25:2巻19ページ
*26:本来一番性欲が関係している
*27:放課後すとりっぷのおかげで覚えている英単語が増えました
*28:2巻57ページ
*29:2巻57ページ
*30:放課後すとりっぷの話です - pm02:00 blog
*31:1巻29ページ
*32:1巻32ページ
*33:2巻21ページ
*34:かもしれない
*35:この表現が正解かは正直自信はないしもっといい表現はあると思うが、少なくとも大外れという事はないはず
*36:青野林檎さんはかわいい〜まあ林檎さん可愛いですしね編〜 - 尊みで飯が食える 2節
*37:こういたずらに長い長文を書くよりは日本刀のような一言でスパッと行きたいとは思う
*38:1巻110ページ
*39:https://twitter.com/tori_nico2/status/1359819185908457475
*40:1巻53ページ目