こんにちはこんにちは。
1巻が出たときに書こうと思っていたやつなんですけど、なんか今になりました。でも今書くべきな気もします。今月号良かったですね。今月号とは2021年12月号のことなんですけど、見ましたか?良かったですね・・・ぎんしお少々・・・
以下にぐたぐだと言いますが、そういった御託は何でもいいんで伝えたい事はただ一つ。ぎんしお少々を読んでください。
読んでください!!!!!!!
さて、連載本編では世界の広がりを見せるぎんしお少々ですが、1巻はもゆしろ、まほすずの、妹と姉サイドがそれぞれ中心に描かれていたと思います。
そんな1巻ですが、描き下ろしの塩原姉妹の仲の良さとは対照的に送別の言葉すらかけれなかった銀さんの姿はやはり衝撃的でした。なんか、そんなに深刻だったんだなって。
双子としてずっと一緒に育ったこの藤見姉妹がはじめて経験したそれなりに"長い"別れ、そしてそれぞれの新生活で迎える成長を振り返っていきましょう。一応結論的なものもあるのでそれも見てもらえると良いかもしれません。えっ今更?みたいな事を言われそうな気はしますが、連載時に感じてずっとまとめておきたいなと思っていた一連なのでよければどうぞ。
鈴さんへの考察みたいなのはかなり不完全な出来なんですけど、適切に説明出来るまでしばらくかかりそうなので、とりあえずこれで出しておきます。
1.序盤の藤見姉妹
序盤の銀さんと鈴さんは二人ともそれなりに問題を抱えているように見えます。
銀さんは鈴さんにコンプレックスのようなものを抱いている。自分だけで行動を決めて実際に行動に移してしまう姿に、尊敬と嫉妬みたいなものを抱いていると思います。
一方、鈴さんは鈴さんで妹離れが出来ていないというか、相談せずに進路を事を気にしていたりします。妹さんの気持ちに自信がない。
しかしこういった点は1巻の範囲で解決されています。
そしてそれぞれに成長が伴う形で上記の問題が解決されているように見えます。それを見て行きましょうというのが本記事の趣旨です。ツッコミ歓迎です。
2.藤見姉妹と塩原姉妹
さて、まず最初に語るべきは銀さんについてです。彼女の特徴ですが、銀さんは1巻の大部分でずっともゆるさんを観察しているんですね。
何ならそのことを自覚もしている。椎さんという話す相手がいてなおかつ友達作りが得意な姉に比べると銀さんの方が圧倒的に心の声が多いですね。そんな中彼女が”見続けたのが塩原もゆる。こういう経験ってもしかしたら銀さんにとって初めてではないのだろうか?と少なからず思います。
鈴さんと銀さんがこれまで常に一緒に行動していたなら、”鈴さんを意識の外に置いて他の誰かを注視し続ける(それも複数日に渡って)”といった機会が銀さんにとって初めてのことだったとしても何ら不思議ではありません。
「相手をよく知る事!」
銀さんの観察力は作中で描写されている通りです。前述の通りよくもゆるさんを見ている。ババ抜き最弱の座をほしいままにしていますが、これは心理戦ではありません。椎さん柚さんという相手に勝とうと努力した事で観察力が鍛えられたのでしょう。心理戦は弱いのかもしれませんが・・・実際弱そう・・・
何を怖がっているのかを思索する銀さんですが、考えてみると何が怖いのかはわからないんですよね。その眼力?1巻最終話で明言している通り、おそらく「意図がわからなくて怖い」、つまり「わからなさ」が怖い。そういう部分を観察の末理解している。
銀さんともゆるさん、この二人が本当の意味で友達になったのは、このわからなさをもゆるさんが言葉にしたことで銀さんに伝わった、そしてもゆるさんと自分の間に確かに共通の部分(写真という媒体で思い出を呼び起こすことが出来る、そこを大切にしているといった点)があることを知ったからでしょう。
この事を伝えるときにもゆるさんは言葉に悩んでいました。つまりもゆるさんが伝えた”理由”は前もって用意されたものではなく、何なら銀さんに聞かれなければ言葉にすることはおそらくなかったのです。そして銀さんが聞くことが出来たのは、もゆるさんに抱く恐怖の理由を知っていたから。上に述べた通りこれは銀さんの観察眼から来たものと思います。もゆるさんの一方的な興味の末銀さんと仲良くなったわけではなく人付き合いが苦手な二人がそれぞれの試行錯誤の上に辿り着いた到達点がここなわけです。
この解決に関して、鈴さんとの幼少期エピソードは外せません。あのエピソードは銀さんの鈴さんに対して抱えていたもやもやを解消するに至ったわけですが、もゆるさんとの和解は銀さん個人の成長を物語っています。人間関係で「鈴なら...」とよく考えていた銀さんですが、鈴さんのいない場で、その努力の末に人間関係の問題を解決するに至ったわけです*1。これは成長でしょうまさしく!
さて、一方の鈴さんについて話していきましょう。1巻の鈴さんの印象深いエピソードの1つは検証と証してまほろさんと同じ布団で一夜を明かす事だと思います。特に印象深いのは鈴さんは、まほろさんの前で妹?らしく振る舞うが
「今あたしふられました!?」
喜びを抱く理由、なんとなく心当たりがあります。それは同時期の銀さんともゆるさんのやりとりです。まほろさんの話を聞いて「か、かわいそ〜」とか言っている頃ですね。
この喜びは「すごく・・・妹さんの気持ちに自信がない?」にかかっていると思うんですよ。もし自分じゃなくてまほろさんが銀さんの姉だったら、みたいな思いがあったとしても、銀さんは「かわいそ〜」とかまほろさんが姉というのは嫌と主張しているような感じがちょっとあります。そもそもこの時は双子パワーの検証みたいなくだりだったわけで、案外双子パワー、発揮している?なんかこれは考察というよりはオタク妄想ですね。救ってくれ・・・私を・・・
はい。で、次の同衾ですね。もう同衾だよ。「撮ったやつは全部銀に見せたい」だったけど、この瞬間だけは自分のものにしたいと言っていました。
なんとなくこの瞬間に妹離れした気がします。銀と独立した深い人間関係を手に入れたという事の証左ではないでしょうか。それはつまり銀の静止を振り切ってこっちに来た事を自分自身で肯定出来たというエピソードにも思えます。鈴さんは銀さんほど熟考するタイプではないですし、これも「なんとなく、あたしだけのにしておきたかった」と、”なんとなく”でしかないんですよね。ただ、そういう感覚を自覚できた辺りが成長なのかなと思います*2。
さて、前述の通り、藤見姉妹はそれぞれ問題を抱えていたわけです。
銀さんは鈴さんへのコンプレックスを
鈴さんは銀さんへの依存のようなものを
言い換えると
他者との境界に過敏になっている
他者との境界が曖昧になっている
藤見姉妹のそれぞれに奇しくも、それぞれ独立に、塩原姉妹は同時に他者性を与えてくれたと言えるわけです。これが問題の解決の大きな鍵になっていると言えるわけです。
ちなみに他者との境界という言葉でまとめてくれたのは私じゃなくて人形さん(@ningyoatt)です。ありがとうございます。とてもよくまとまっている
3.過去とこれから
藤見姉妹、ずっと一緒だったわけですけど、幼少期のエピソードを見るとなんとなく分かれそうな感じありますよね。
「やだなー、あたしたちもそうなっちゃうのかな!?」
「わたしは結構良いなって思うよ」
あるってだけです。そういう一言はツイッターに書いてくれ。書いた気はします。
さて、にこみ先生の前作の放課後すとりっぷの話で度々言ってきたことで、ある二人が別の似た境遇かもしれない二人の未来を明るくする、という構図を見てきました。
今回のこれも、意図せずしてかしていないか、塩原姉妹という二人がそれぞれ藤見姉妹の二人に良い影響を与えているのはなんとなくそういう構図に見えなくもない。オタクの悪いこじつけかもしれないですけど
最近のぎんしお少々では、かなセツという二人の動向が気になるところですが、先月号に見られるように、もゆしろの二人が風花かなめさん、若葉谷セツナさんの未来に良い影響を与えたことは確実でしょう。この構図ってまさしく前述の構図なのでは!?と勝手に盛り上がったりしていました。
そして今月号ですが、藤見姉妹きっかけで、しばらく先まで会う予定のなかった塩原姉妹が会うのかもしれないという予感を感じさせます。こういう影響を与えた二人からまた影響を返されるとか、そういった力が伝播していくのって放課後すでは見れなかったものなのかもしれません。そう思うと今のこういう物語が見れる状況はとても素晴らしいなと思う他ないわけです。
楽しみが尽きませんね!
今月号本当に良かったな・・・毎月きららを購読するといいですよ。
(追記)
これを公開したあとにtwitterで騒いでいたやつも同時にまとめておきます。今月号のタイミングで書くべき話でちょうどよかった気がしてきた
今月号、こいつをファインダーにすればいいってところがなんか、楽しいを分け合うという文脈だったから銀さんの今の楽しいにもゆるさんの目を通した世界が入っているというのが良すぎてこれはこれで双子の成長を感じる
— はかり (@mg_toHKR) 2021年11月18日
双子の楽しい世界は双子だけで完結するものではないっていうのを明確に意識させてくれた気がする
— はかり (@mg_toHKR) 2021年11月18日
発端が双子として当たり前だった、楽しいをパッケージングするためのカメラだったけど、今やそれぞれ別個人として楽しいがあって、それを繋ぐ架け橋としてカメラが使われている…
— はかり (@mg_toHKR) 2021年11月18日
双子として当たり前だった、というの言葉が足りてなさすぎる。双子で一緒に楽しむのが当たり前だった、みたいな意味です
— はかり (@mg_toHKR) 2021年11月18日
今月号の感想と会わせて成長を見返す意義みたいなのが出てきましたね。公開後に書くな・・・
*1:にこみ先生が言及されていた(https://twitter.com/tori_nico2/status/1424654831050924034 )意味で鈴さんの力を借りてはいるのかもしれないが
*2:ここの考察があまり納得していないところはあるのでツッコミがあればください