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オタク思想とオタク地獄とラブコメと萌え4コマ漫画

ω-Queen問題的なものを考えてみた話

真面目なブログ記事です。

↑これ訂正なんですけど、私真面目なことしか書いた覚えがなかったです。

 

 

最近Queen問題というものを知りました。

 

 

これはチェスの盤に8個のクイーンを重ならないように置けるか?という問題です。

 

 

クイーンは任意の縦横斜め方向に好きなだけ動ける、というやつです。将棋で言うなら角と飛車がくっついたような感じ。

 

 

重ならないように、とはクイーンの行動出来る軌道上に他のクイーンが存在しない、という状態です。

 

 

説明が超下手です。wikipediaのエイト・クイーン問題に画像が載っているのでそっち見てください。ごめんなさい。

 

 

で、チェス盤の大きさは8×8なのですが、これを一般のn×nにしてみたn-Queen問題というのがあります。

 

 

 

で、一般にnが大きくなるほど解の数が増えて組み合わせ爆発が起こるらしく、解の数を知りたい、というのが主な問題で、これはどちらかというとプログラムとかアルゴリズムの問題だそうです。

 

 

しかし、私はプログラムが書けないしアルゴリズム深さ優先探索幅優先探索しか知りません。

 

 

でもまぁ無限組み合わせ論オタクなのでω-Queen問題を考えてみました。

 

 

要は盤面が{\mathbb{N}\times\mathbb{N}}の時を考えよう、という話です。

 

 

で、解の存在が(ZFC上で)示せた(と思う)のでちょっと紹介してみようと。

 

 

話の流れとしてはω-Queenの定義→証明に使う補題→存在性証明という感じです。

 

 

1.ω-Queen問題の解

 

そもそも何が解なんですか、という話で。

 

 

だいたいω個の重ならないクイーンなんていくらでも置けるわけです。各nに対して十分大きいa_nを取って{\{(n,a_{n})\mid n \lt \omega \}}とすれば良いので。

 

 

 

 

でもなんかこれだとスカスカです。というのもn-Queen問題の解は任意の行に対してただ1つのクイーンが置かれていて、さらに任意の列に対しても同様です。

 

 

まぁn個重ならないように置けばそりゃそうなんですけど、

 

 

なので、「任意の行に対して1つのクイーン、任意の列に対して1つのクイーンがあって、さらに斜めで重ならないような配置」を解だと思うことにします。

 

 

で、{X\subseteq \mathbb{N}\times\mathbb{N}}がω-Queen問題の解であるとは、

 

 

まず

{\forall n,|X\cap\{(n,i)\mid i \lt\omega\}|=1}

{\forall n,|X\cap\{(i,n)\mid i \lt\omega\}|=1}

を満たしていて、

 

 

かつ斜めで重ならない。

 

 

即ち任意の{n=(n_{1},n_{2}),m=(m_{1},m_{2})\text{ in }X}に対して

 

{n_{1} \lt m_{1}}ならば{(m_{1},n_{2} + (m_{1}-n_{1})) \not= m\land(m_{1},n_{2} - (m_{1}-n_{1})) \not= m}

 

 

となります。

 

 

あまりにもアレなので最初の条件を書きなおすと任意の{n\in \mathbb{N}}に対して唯1つの{m\in\mathbb{N}}が存在して{(n,m) \in X}なので{X}は関数です。

 

 

よってこれは{f:\mathbb{N}\to\mathbb{N}}{\forall n,m \in \mathbb{N}.n \lt m\to f(m)-f(n) \not= m-n \land f(m)-f(n) \not= -(m-n)}を満たす全単射そのものです。

 

 

このような全単射をω-Queen問題の解と定義することにします。

 

 

2.半順序の稠密部分集合とRasiowa-Sikorskiの補題

 

定義が終わったので次は存在を示したいんですけど、それに使う補題の紹介をします。

 

 

最初、具体的に定義しようとするもなんか色々と勘違いしていて「ぶっちゃけこんな関数ねーだろ!!!!でも強制法でくっつけられるんじゃね?」とやってみたらこの証明が出来ましたという感じなので、強制法を知ってる人はあーわかるわかる程度に見てください。

 

 

定理で使うRasiowa-Sikorskiの補題は次の主張を言います:

 

 

定理(Rasiowa-Sikorski)

任意のc.c.c.を持つ半順序{\mathbb{P}}と稠密集合の可算族{\mathfrak{D}}に対して{\mathbb{P}}-filter{F}{\forall D \in \mathfrak{D}.D\cap F \not= \emptyset}なるものが存在する。

 

 

これだけだと大変にアレなので 各用語の説明です。

 

 

{\mathbb{P}}を半順序とします。

 

  • {A\subseteq\mathbb{P}}反鎖(antichain)であるとは、任意の{x,y\in A}に対して{r\lt x,y}なる{r \in\mathbb{P}}が存在しないことをいう。

  • {\mathbb{P}}c.c.c.を持つとは、任意の反鎖が可算であることをいう。

  • {D \subseteq\mathbb{P}}稠密集合(dense subset)であるとは、任意の{p \in\mathbb{P}}に対し{r \in D}が存在して{r \leq p}なることをいう。

  • {F\subseteq\mathbb{P}}filterであるとは任意の{x,y \in F}に対して{r\leq x,y}なる{r \in F}が存在してかつ任意の{x\lt y\land x\in F}に対して{y \in F}なることをいう。

 

filterは上方向について閉じた有向集合って言った方がわかりやすいかもしれません。まぁ同じなので良いです。 

 

 

3.解の存在の証明

 

ここで示すのは次です:

 

{\forall n,m \in \mathbb{N}.n \lt m\to f(m)-f(n) \not= m-n \land f(m)-f(n) \not= -(m-n)}を満たす全単射{f:\mathbb{N}\to\mathbb{N}}が存在する。

 

証明:

{\mathbb{P}=\{f \mid f\text{は}\mathbb{N}\text{から}\mathbb{N}\text{への半関数},|dom(f)|\lt\omega,\\ \forall n,m \in dom(f) .(f(m) \not= f(n))\land (m\lt n \to f(m)-f(n) \not= m-n \land f(m)-f(n) \not= -(m-n))\}}

 

 

また{f,g \in \mathbb{P}}に対して{f\leq g \underset{def}{\Leftrightarrow}g\subseteq f}とすると{(\mathbb{P},\leq)}は半順序です。

 

 

{\mathbb{P}}は有限半関数全体の集合に含まれます。また、有限半関数全体の集合は可算なのでもちろんc.c.c.を持ちます。

 

 

また{D_{n} =\{f \in \mathbb{P}\mid n \in dom(f)\}},{E_{n} =\{f \in \mathbb{P}\mid n \in rng(f)\}}とするとこれは稠密集合になります。これは有限性を使うと示せます。

 

 

{\{D_{n}\mid n \lt \omega\}\cup\{E_{n} \mid n \lt \omega\}}は可算な稠密集合の族なのでRasiowa-Sikorskiの補題より全部と交わるfilter{F}が取れます。

 

 

ここで、{f,g\in F}に対し{r \in F}{r\leq f,g}なるものが存在します。

 

 

{r\leq f\cup g \in F}であることに気をつけると{\cup F}が関数であることが示せます。

 

 

関数でないとすると{f,g\in F}に対して{f(m) \not=g(m)}なる{m\in dom(f)\cap dom(g)}が存在します。即ち{f\cup g}は関数ではないことがわかります。

 

 

一方で{F}の元は全て関数なので矛盾です。

 

 

さらに{S = \cup F}{\mathbb{N}\to\mathbb{N}}なる関数になります。

 

 

というのも、任意の{n \in \mathbb{N}}に対して{g \in D_{n}\cap F }が存在するので{n \in dom(g) \subseteq dom(S)}なので{dom(S) = \mathbb{N}}です。

 

 

これは全射になります。

 

 

これもまた{g \in F \cap E_{n}}が存在することよりある{m \in dom(g)\subseteq dom(S)}が存在して{n = g(m) = S(m)}であることより言えます。

 

 

さらに{\mathbb{P}}の定義より単射です。

 

 

というのも、任意の{n,m}を取ると{g,f\in F}が存在して{n \in dom(f),m\in dom(g)}なので{h=f\cup g \in F\subseteq \mathbb{P}}です。

 

 

よって、{S(n) = h(n)\not = h(m) = S(m)}となり単射性が示せました。

 

 

{(m\lt n \to S(m)-S(n) \not= m-n \land S(m)-S(n) \not= -(m-n))}も全く同様にして示せます。

 

 

よって条件を満たす全単射{S}が見つかりました。□

 

 

 

結論として{\{(n,S(n))\mid n \lt \omega\}}の点にクイーンを配置するとどのクイーンも縦横斜め移動し放題、任意の行にも任意の列にもクイーンが1ついてハッピーハッピーです。

 

 

 

で、こういう定式化をすると解が見つかるよ、という話でやっぱり気になるのは非可算の場合なんですけど、その場合どう定義したら良いかわからないですね。

 

 

なんかcoloringとかの性質で特徴付けできそうな気はするんですけどね。

 

 

まぁωの場合がわかったと思うので取り敢えず良いです。どこか間違えてたら教えてください。

 

Diagonal Prikry forcingが面白かったという話

面白かったので珍しくノート等を書いてみました。

 

 

いや書くべきものはたくさんあるのにいつもこうです。

 

 

脳内がスタック構造なんです。後入れ先出し後入れ後出しです。まぁ書いたので作業が1つ消化されてハッピーハッピーです。いや絶対にやらなきゃいけない作業が1つも消化されてないんですけど

 

 

 

 

www.dropbox.com

 

 

Diagonal Prikry forcingはGitikとSharonの論文中に出てくるやつだそうです。

 

 

このモデルの中で何が起こっているか〜的な話は実はよく知らないんですけど、今読んでいるやつはκがTree propertyを持ってかつκ上でのSCHが破れるモデルを作るという話です。

 

 

 

Gitik-Sharonのモデルではκ上のAPとκ上のSCHの否定がなりたってたりするのでもちろんweak squareの否定も成り立つし、一方でvery good scaleが見つかったりするらしいです。

 

 

CummingsとForemanの「Diagonal Prikry Extensions」という論文に書いてあるのをざっくり眺めただけなのでちゃんと読もう...

 

 

 

 

ところでLaTeXの数式環境でイタリック体になっちゃうの直すのどうやるんでしょう。一々{\rm...}とか書くの面倒だし、なんかもういいやって感じでなあなあにし続けて3年くらい経ちました。そろそろ美文書入門を読むべきだなぁ等と思っています。

里見先生は三者三葉の良心だと思っていたけどやはり薗部篠こそが良心だと思った話

まんがタイムきらら6月号が発売されました!

 

 

スロウスタート、アニメ化おめでとうございます!!

 

 

いや楽しみですね、今からもうワクワクします。

 

 

この記事は三者三葉の感想みたいな記事ですが。

 

 

で、内容はタイトル通りなんですが、

 

まんがタイムきらら6月号の三者三葉のネタバレがあるのでまだな方は見ない方が良いです。

 

なので少し改行してから話します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はい。

 

 

えっとまぁ本当にタイトル通りの事しか言わないんですけど。

 

 

里見先生、見た目が薗部篠なのにすごくちゃんとした大人で三者三葉にはちゃんとした大人が満腹さんしか存在しないためTHE 良心に見えるわけですね。

 

 

最近まで割とそう思っていたわけです。

 

 

そして今月号、念願の沖縄修学旅行回が始まり担任の里見先生ももちろん登場するわけです。

 

 

里見先生は昔何度か家族や友人たちと沖縄に来たことがあるみたいでその時の話を葉山ちゃんにしたりするんですが、

 

 

その内容がものすごく一般的!バーベキューしたりビーチフラッグして砂まみれになったりして楽しかったそうです。かわいい。

 

 

しかし話を聞いていた葉山ちゃん、

 

 

「普通の...一般の大人...普通の大人なんですね...?」

 

 

と怯えているのです。あの葉山ちゃんが...!これはよほどの事でしょう。

 

 

そんな話をしたりしなかったりする中、場面は進みホテルの部屋へ。

 

 

ホテルの部屋はオーシャンビューで海が超よく見えます。キレイ!

 

 

そしてそんな綺麗な海にスクール水着とビート版で遊泳する薗部篠の姿が!!!(!??!?!!!??!?)

 

 

まぁそんなに驚くようなことではないのですが、自分は里見先生と薗部篠は見た目が同じなのでつい比べてしまいがちで、今回はその対比がすごく強調されてる感じがして面白かったです。

 

 

その時の薗部篠が出てきたシーンの葉山ちゃんの反応は

 

 

「いるでしょそりゃあ...」 

 

 

なんですよ。しかも何を当たり前のことを言っているんだという表情に見えます。これはもう空気と薗部篠を同じように思っているレベルです。

 

 

怯え切った葉山ちゃんも薗部篠を見た瞬間心の安静が保たれたことでしょう。

 

 

なんと薗部篠こそが三者三葉の良心、心の拠り所だったのです...!!!

 

 

等と供述していた、という話です。

 

 

三者三葉の良心が薗部篠、お前今更かよ!という気がしなくもない。

 

 

 

 

これはおまけなんですが、里見先生学生時代は園芸部で植物を育てていたらしいんですね。12月号の読者コーナーに書いてありました。

 

 

薗部篠はもしやその時に誕生した植物なのでは...?作中にも光合成をしていると思しき描写があります。

 

 

しかしこれを考えると薗部篠の誕生日がうるう年で4年に1度しか年を取らないため三十路の薗部篠は実質120年ほど生きている説と両立しないんですよね。

 

 

これを考えると里見先生のひいおばあちゃんとかが園芸が好きで、若かりし頃に薗部篠を誕生させてしまい、里見先生は幼いころひいおばあちゃんに園芸を教わっていた可能性があります。

 

 

しかしそうすると薗部篠の中身って誰がオリジナルなんでしょうね。

まんが4コマぱれっと5月号の末続このはでえっええぇうええぇとなった話

あっ、今月号のネタバレあります。

 

 

ネタバレはあるけど中身はないです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちゃんと前置きしたので。

 

 

先日ぱれっと5月号を買ってきました。

 

 

で今月号の未確認で進行形を読みまして。

 

 

人気投票回の続きでして。

 

 

誰に投票する~みたいな話題で末続このはが仁子ちゃんに入れると言って最高に幸せな気分になっているときにですね、

 

 

末続このはが急用とのことで母に呼ばれましてね、

 

 

「えっ、もしや転校とか...?」みたいな不安を持ったり、少なくともポジティブな内容そうではなかったのでちょっと心配してたわけです。

 

 

その内容がですね、

 

 

お見合いだったのです.........................!!!!!!!!

 

 

えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ

 

 

マジで

 

 

ひょえ~

 

 

ちょ、ちょっと待ってください末続はまだ恋の味も経験していないのですよ!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

なんてこったパンナコッタというやつですよ........

 

 

ど、どうすればいいんだ

 

 

死んでしまう

 

 

お前お前お前、同族とは言えまさかのお相手はショタだと

 

 

このはお姉ちゃん~ってか~そうか~いやうんわかるわかるめっちゃ良い

 

 

うん良い良さみが深いのがわかる幸せってやつじゃんHappy Endかよ

 

 

まぁお見合いと言っても双方の紹介程度らしいですが。

 

 

というわけではなくてですね

 

 

末続がお見合いでゴールインしたとしたらまぁそれはそれで幸せだと思うのですよ。

 

 

だから問題ないのでは?我々が願っているのはあくまで末続このはの幸せなわけです。幸せになってくれるなら何でもいい...!!!

 

 

のか!!!本当にそうか!!!

 

 

あの小紅ちゃんと白夜くんのイチャイチャっぷりを見せつけられて意識しまくっている末続が恋の味を知らずにゴールインで2人の子宝に恵まれて晩年というのはなんというかそのそのその

 

 

あんまりにもあんまりすぎませんか!お前1度くらいときめけよ!ラブコメ!ラブコメを要求します!

 

 

仮にどういう結末をたどることになったとしても恋の味を知って小紅ちゃんと白夜くんの気持ちを理解して変な意識を捨て去ってからにして欲しいものです。

 

 

あ~も~でも正直このはお姉ちゃんは見てみたいです。そりゃね。そりゃそうですよ。

 

 

あーでも絶対お姉ちゃんって呼ばれることに浸る~~~浸りそう~~~あれっでも末続このはって長女ですよね。妹か弟がいるかどうかは知らないけどすでにこのはお姉ちゃんなのかもしれません。

 

 

しかしな~おねショタか~~

 

 

いやそんな話はしていないのです。

 

 

しかし末続この話受けるんですかね。

 

 

いやまぁ、母の言いつけだけで白夜くんに「結婚して」というくらいだし多分受けるとは思うのですが、

 

 

決定までの過程がどうなるのかが気になる~~~超超超気になります。即決断する可能性もあるけど、それはちょっとあんまりにも展開が急すぎます。私のようなラブコメオタクは1瞬で決断されてしまうと脳が破裂してしまうのです。

 

 

超~~悩んで欲しい.....

 

 

仁子ちゃんに相談してほしい..............................................................................................

 

 

どうすればいいんだろうって言ってほしい...............................................................

 

 

なんなら仁子ちゃん嫌なら断っちゃえば?とか言ってほしい.................................

 

 

しかしまぁ何がどうあろうとこの世の全てが敵みたいな展開にはならないと思います。

 

 

むしろこの後どうしたらこの世の全てが敵展開になるのか。

 

 

勝手に鬱展開を予想して落ち込む私は一体なんなんだろう。

 

 

まぁそんな自分語りはどうでもよくてただ末続に恋をしてほしい

 

 

そうなんですその1点に尽きるのです!末続このは1度でいいから恋をしてくれ

 

 

しかしそういう経験が一切ないのも末続このはの魅力の1つだと思います。二律背反~~~

 

 

等と供述していました。

 

 

あっ、一切触れてませんが今月号の小紅ちゃんと白夜くんはとても良いラブコメでした。圧倒的感謝...

 

 

そんな感じで5月22日は未確認で進行形8巻の発売日です。やったー嬉しいですね。

基数演算の話 その2

こんにちはこんばんは。

 

前回は無限基数の「有限項」の和、積の演算に関しては大体自明ということを示しました。

 

今回は無限項の演算を考えるうえで重要になるKonigの定理を紹介しようと思います。

 

Konigの定理は次です:

 

定理(Konig)

{\sum_{i\in I}\kappa_{i}\lt\prod_{i\in I}\lambda_{i}}

 

これの系で例えば次が言えます:

 

系1(Cantor)

{2^{\kappa}\gt\kappa}

 

さらにもっと大事な系があります。こっちがKonigの定理と呼ばれることもあります:

 

系2(Konig)

{cf(2^{\kappa})\gt\kappa}

 

別の記事で{2^{\kappa}}という値はZFCから決定不可能という話をしているのですが、これによると例えば連続体濃度{2^{\aleph_{0}}}について{2^{\aleph_{0}}\not=\aleph_{\alpha+\omega}}ということが言えます。

 

というふうにKonigの定理はZFCでべきについてわかる数少ない事実を与えてくれる良いやつです。

 

それと特異基数のべきを調べるのに使うgimel関数についてもCantorの定理と同じことが言えるということがKonigの定理より示せます:

 

系3

{\kappa^{cf(\kappa)}\gt\kappa}

 

 

Konigの定理の証明を見ていきます。

 

証明

任意に{f:\cup_{i\in I}\kappa_{i}\times\{i\}\to\prod_{i\in I}\lambda_{i}}を取ります。これが全射でないことが示せればよいです。

 

{i\in I}に対し、{B_{i}=\lambda_{i} \setminus\{(f(a))(i)\mid a \in \kappa_{i}\times\{i\}\}}とする。

 

{\kappa_{i}\lt\lambda_{i}}より{B_{i}\not=\emptyset}であるから選択公理より{g\in \prod_{i\in I}\lambda_{i}}で各{i\in I}に対し{g(i) \in B_{i}}となるようなものが存在する。

 

この時明らかに{g\not\in Rng(f)}、よって全射でない。□

 

 

というわけで割と簡単に示せるのですが選択公理を使っています。

 

条件が落とせるかというと落とせないです。ここでは詳細は省きますがKonigの定理はZF上選択公理と同値な命題の1つです。

 

 

最後にさっきの系の証明を書いて終わっておきます。

 

 

系1の証明

{I=\kappa}{\kappa_{i}=1}{\lambda_{i}=2}とする。

 

Konigの定理より{\kappa=\sum_{i\lt\kappa} 1 \lt \prod_{i\lt\kappa} 2 = 2^{\kappa}}である。□

 

 

系2の証明

{\kappa_{i}\lt2^{\kappa}}を任意に取る。この時{\{\kappa_{i}\mid i \lt\kappa\}}{2^{\kappa}}で上に有界であればよい。

 

Konigの定理より、{\sum_{i\lt\kappa}\kappa_{i} \lt \prod_{i\lt\kappa}2^{\kappa}=(2^{\kappa})^{\kappa}=2^{\kappa}}である。

 

{\sum_{i\lt\kappa}\kappa_{i}}{\{\kappa_{i}\mid i \lt\kappa\}}の最小上界であるからこれは上に有界である。□

 

 

系3の証明

{\langle\kappa_{i}\mid i\lt cf(\kappa)\rangle}{\sum_{i\lt\kappa}\kappa_{i} = \kappa}となる{\kappa}未満の基数の列として取る。

 

Konigの定理より、

 

{\kappa=\sum_{i\lt cf(\kappa) }\kappa_{i} \lt \prod_{i\lt cf(\kappa)}\kappa=\kappa^{cf(\kappa)}}

 

 

という感じで割合簡単な感じに重要な補題が示せたりします。

 

別の記事にも書きましたが、ZFCから正則基数のべきについて言えることは系1と系2しかないことがわかっています(Eastonの定理)。

 

Konigの定理はすごいなぁ、という話です。

 

次回があるかは知りませんがもっと具体的な基数演算の話でも書こうと思います。

 

ところで「魔法少女のカレイなる余生」というまんがタイムきららMAXで連載中のまんがが面白いので読んでください。

薗部篠が複数人いてかつ全員の脳が繋がっていると思った話

あけましておめでとうございます。

 

 

私は今年もきららを読んだりきららを読んだり数学したりします。

 

 

新年初の記事はJonsson代数について書く予定でしたが急きょ薗部篠の記事になりました。

 

 

一応注意書きです。

 

 

三者三葉」や「いちごの入ったソーダ水」等のネタバレを多分含むので気を付けてください。

 

 

あと僕が妄想してるだけなので実際の設定とはもちろん関係ありません。

 

 

あと薗部篠を妖怪かなにかだと思って話すので薗部篠タソまじ天使...って人も見ないほうがいいです。

 

 

今からなんか散々書きますが私は薗部篠好きです。

 

 

注意書きは以上です。

 

 

さて、

 

 

"薗部篠"とは三者三葉の登場人物です。

 

 

女子高生がキャッキャウフフしている光景に喜びを覚えたり洋菓子店を経営していたり元メイドだったりする人です。

 

 

容姿はメイド服でやたら幼い感じですが三十路です。

 

 

あと目を開けて立ったまま寝たり、旅行先で事件に巻き込まれ事件を解決したり、サメを倒したりするので妖怪の類ではないかと噂されています。

 

 

日々を面白おかしく生きているそうです。

 

 

「元メイド」というのは大切な要素でもともと西川家に仕えていて今でも実質葉子さまに仕えているような感じです。

 

 

葉子さまは薗部篠の店でバイトしているので本来の立場は逆です。

 

 

で、ここだけならただのなんか妖怪みたいなキャラクターが女子高生のキャッキャウフフを楽しみながら暴れているだけなのですが、実は似たようなキャラが荒井チェリー先生の別作品に登場します。

 

 

「いちごの入ったソーダ水」という作品があります。

 

 

これは葉子さまの元通っていた「迷迭香女学院」が舞台のお話なのですが、そこに"薗部茅"というキャラクターが登場します。

 

 

薗部茅はほとんど同じ見た目ですが和服です。

 

 

御代田家に仕えるお手伝いさんです。

 

 

そんなに登場シーンが多いわけではないですが、多分中身はそこまで薗部篠と変わらないです。

 

 

で、御代田家は御代田島という島の主で「島の名前がそのまま苗字」状態の大きい家です。そして御代田家はそこに住んでいます。

 

 

いちごの入ったソーダ水の登場人物の御代田こひめちゃんの実家です。

 

 

で、御代田島は所謂離島でこひめちゃん卒業時に学校全校生徒が5人というくらい子供がいないっぽいです。

 

 

で、薗部篠は多分「女子高生がキャッキャウフフしている成分を栄養に生きている妖怪」なので薗部篠と薗部茅が殆ど同じだと思うと、

 

 

薗部茅は生きていけないのでは???

 

 

女子高生のキャッキャウフフが足りずに存在を保てないのではないだろうか。

 

 

そう思ってしまいました。

 

 

思ってしまったのです。

 

 

え?じゃあ薗部茅はどうやって生きてるの!?

 

 

そんなに離島のJKは濃密なキャッキャウフフを提供しているのだろうか...ていうかJKが何人いるのだろうか。

 

 

薗部篠と違い葉子さまが近くにいるわけではなくこひめちゃんは迷迭香の寮です。

 

 

それに薗部篠は使用人ではないので自由に生きていますが、薗部茅は違います。普通に使用人してます。

 

 

 間違いなく生きていけない...

 

 

そこで、

 

 

薗部篠が複数人いてかつ全員の脳が繋がっているのではないだろうか。

 

 

具体的に言うと「薗部シリーズが存在していて彼女たちはSonobe-networkという独自のネットワークを持ち相互に情報をやりとりすることが可能なのでは」と思ったのです。

 

 

なんか薗部篠の「薗」って最初「菌」に見えたので樹海か何かに薗部の菌床があってそこから生えてくるのでは...と思ったこともあります。

 

 

それの妄想が薗部茅という新・薗部の存在で信憑性が高まってしまった今日この頃にSonobe-networkがありそう等と思ったわけです。

 

 

Sonobe-networkの存在を仮定すると薗部茅に女子高生キャッキャウフフ情報が提供されていることになります。

 

 

そもそも、薗部篠だって昔は使用人。今ほど自由にキャッキャウフフを補給できていたわけではないでしょう。

 

 

Sonobe-network構成員全員のキャッキャウフフを集めて共有しあい、彼女たちが存在を保っていたとするとなるほどという感じです。

 

 

そして今の薗部篠はキャッキャウフフを過剰に持つのでこひめちゃんが離れていった今の薗部茅も十分生活できるのです。

 

 

そんな感じで樹海の菌床から生まれた薗部シリーズが全国の女の子のいるデカい家に仕えて今日もキャッキャウフフを求めて生きているのです。

 

 

という説。

 

 

なんか情報あったらください。

 

 

今年もよろしくお願いします。

発表スライド

今年の若手の会での発表スライドを上げようと思ってたの、完全に忘れていました。

 

 

www.dropbox.com

タイトルが「2」の理由は最初に作ったやつがbeamer練習の犠牲になってしまったので2という意味です。その1は小麦ちゃんとCantorの定理しか載ってないです。